
小雨降る中、
淡路町の駅から多町大通りへと曲がり込む。
このまま行くと看板建築の「栄屋ミルクホール」が、
さらに神田駅寄りへと進めば以前お邪魔したバー「DEUCE」のある通りだね。
目的地は、とんかつ「やまいち」。
界隈の有名とんかつ店「勝漫」の店主が、雇われ店主から独立を果したのが「やまいち」なのだそうだ。
店主独立前の「勝漫」では、名物どころの「大かつ丼」もデフォルトなとんかつも食べ損なっていました。さて「勝漫」を有名店に仕立てたその揚げ口や如何に。
思わず「かきフライ!」と云いそうになりつつも(笑)、初志貫徹、定食「特ロース」をお願いしました。

ヒレ小+ロース小の「合わせかつ」や「車えびフライ」「海老しんじょう揚げ」も気になる。そういえば、品書きに「大かつ丼」は、見当たりません。
凛とした風情の厨房の様子を眺めながら、揚がりを待ちましょう。

しっかり目の揚げ色をしたとんかつがやってきました。
断面の表情を愛でながら、例によって檸檬を絞ってまずひと口。

歯触りサクサクっとして、その先すぐにロース肉の香りと脂の風味が解けてくる。
塩でいただけばやっぱり、脂の甘さが際立って、いいね。
最近のカツの食べ方は、半分ほど絞ったあとの檸檬に塩を振って、そこにカツの衣のところをトントンとして、いただくって要領。そうするとパラパラとした塩が加減よく含ませられて、かといって衣の風合いを損なわないでカツが喰えるンだ。
ホールの女性が薦めてくれた柚子胡椒も試してみようかな。
とんかつの角に柚子胡椒をちょんとのせて、ひと口にいただく。

風味が強過ぎるきらいはあるものの、なるほどこれも一興で、後半飽きがきたらこうして食べるのもいいかもしれないね。
不思議なのは、ガッツリ揚げ物のとんかつ食べたのに、どこか物足りないような食後感が残ったこと。所謂”期待が過ぎたゆえの心象”とは違うような気がするンだけどなぁ。何故だろう。
暖簾の緋色を山形に一文字と白抜いて標す「やまいち」。カタチや、よし。

店主の姓と名のあたまをとった、と考えるのが順当なところでしょうね。
口 関連記事:
名代・とんかつ「勝漫」 で貝柱のコロッケさっくりとろりんこ(05年01月)
Bar「DEUCE」 でArdbeg&Ardbegスコッチの500年に浸かる(07年12月)
「やまいち」
千代田区神田須田町1-8-4玉井ビル
[Map] 03-3253-3335
column/02536
こんにちは、いつも美味しく読まさせて頂いてます。
私はこちらでカキフライも食べましたが、
2粒1個揚げのぷっくりしたカキが
柔らかに浴衣を纏っているみたいなお揚げでありまして、
まさにじゅーしぃ。厚衣で封じ込まれた時みたいな
ガッツリ感とか香り感はありませんでしたが、いやー。満足しました。
季節が許すならもう一度行きたいものです。
Re;rokuさま
ありがとうございます。
おお、「やまいち」の「カキフライ」。2個1個ぷっくり柔らかですか~。
気になってはいたのですけど、そうなるとますます気になっちゃうじゃないですか~、もう(笑)。
そろそろ冬シーズンは終息ですもんね。焦るなぁ。
勝漫の味がここで楽しめるって知っていたのですが、
結局ここ引っ越す前にいけなかったですよね。
柚子胡椒というのは新しいですね。
前に勝漫で食べた時には塩があう印象でした。
違いを確認しに行かなきゃ。
Re;超神田っ子さま
そっか。引っ越す前だったらのんびりお散歩エリアだったのかな。
どうも余所で、うんめぇ~とんかつ覚えちゃった所為か、感激まではいかなかったのですけど…。
柚子胡椒は面白いと思います~。