column/01928
信濃神麺「烈士洵名」
春日駅近くにある「列士洵名」は、長野で店舗展開している「笑楽亭」というグループが東京に進出してきたお店だという。券売機で「チャーシュー麺」「岩のり」のチケットを買いながら店内の様子を窺うと、先客はカウンターに女性のひとり客のみ。混み合う時間帯ではないのかなぁとぼんやり考えているところに、ラッパ状に広く口を開いた白い器が届きました。スープの表面には香味油のような油で幕が張られています。表層を攪拌しながらそのスープを啜る。なにかが突出することなく、動物系と魚介系のだし味がバランスしている感じだ。優しく濁りないスープに、どこか物足りなさを覚えるヒトも少なくないんじゃないかな。動物系は信濃地鶏、信州ハーブ鶏、信州みゆき豚などという地元銘柄を使っているらしい。別皿盛られた炙りチャーシューは、脂の蕩けた薄切りで、箸で掴もうとすればその場から千切れるという仕立て。これまた信州SPF豚という無菌豚を使っている。麺はところどころに粒子の練り込まれた力強さのあるもの平打ちだ。その太麺を千切れたチャーシューといっしょにわしわしっといただく。貼紙には黒小麦を使う細麺も選べる、とある。もしかしたら硬めに湯掻いた細麺の方がこのスープに合うのかもしれないな。
「烈士洵名」 文京区西片1-15-6 03-5684-2263