まずはココカラということで、「ポーク」を。 ソースポットからどぼどぼっと一気にライスの上に回しかけると、 黒褐色のサラサラとしたソースといっしょに、 豚バラと思しき拍子木切りの肉片が零れ落ちます。なかなかにそそる光景だ。
ライスと合わせて口へ運ぶと、 ポカンと意外な表情になってしまうほどにあっさりとしたお味。 おまけに甘さの方が勝っていて、 辛さも独特の香りもじんわりとした控えめのもののように感じる。 鼻つまってないようなぁと確認してしまったくらいだ(笑)。
見た目からなんとなく欧風のコク味を脳裏に描いてしまったけれど、 スマトラって云えばインドネシアだもんな。 かといってインドカリーに近いのかというとまったく逆で、 優しい風合いが魅力になっている。
「共栄堂」は大正13年創業。 商人でもあった冒険家から学んだスマトラ島のカレーを日本人の口にあうようにアレンジしたもので、ルーに小麦粉を使わず野菜たっぷり煮込んだスープに20~30種類の香辛料をじっくりと溶かし込んで仕上げている、そうだ。 もしかしたら、原型にけっこう大胆なアレンジを施しているのかもしれないね。
「共栄堂」 千代田区神田神保町1-6 サンビルB1 03-3291-1475
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