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そば日本橋「やぶ久」で 鴨つくねせいろ同じ老舗で随分違う
永代通りから八重洲仲町商店街へ折れ入ったところにある「やぶ久」に立ち寄る。
店内に入ると入れ替わりに、「なかなか出てきそうもないので、結構ですぅ」と冷ややかな声で告げつつ店を後にするOL2人組。
え、そうなの。
そんな不安に駆られながらも1階のテーブル席に着きました。お品書きを眺めているうちに「並木藪」のつくねが脳裏に浮かんできて、「鴨つくねせいろ」を大盛りでお願いすることに。
特別長々と待たされることはなく、それは届きました。蕎麦そのものは別段拘りを感じられないもの。
つけ汁はみりんの持つくどさを感じさせるような印象かと思いつつ、そこに浮かんだつくねを箸で掬い上げて齧る。
ミキサーにかけて練ってしまったような食感で妙に柔らかく、荒めに叩いた鴨肉が嬉しかった「並木藪」とは全くの別物だ。
帳場を務めるご老人は、一見江戸っ子の気風で古き蕎麦屋の風情に味を添えているようにも映るが、どうやら接客を履き違えていると云われても仕方のない所作が多い。
ほぼ同時期に創業した老舗でありながら、随分と違うものですね。
「やぶ久」 中央区日本橋2-1-19 [Map] 03-3271-0829