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生蕎麦「かねまたみまたそば」本店で天入かしわ蕎麦もり蕎麦羊蹄山と倶知安の町

札幌のシンボルと云えば、みんなが知ってる札幌市時計台。
“日本の三大がっかり名所”のひとつに数えられ、期待して初めて目にしたひとは少なからず、そのこじんまり感を残念に思うようだけれど、高知の播磨屋橋ほどの”がっかり”ではない、と思う(^^)。
時計台の正式名称が「旧札幌農学校演武場」だって知ってました?
外側から時計台を眺めることは何度かあったものの、
館内に入ったのは初めてのこと。
旧演武場の一階二階をゆっくりと巡れば、
北海道開拓と札幌農学校、
そして時計台に纏わる事柄がよく判ります。

そんな札幌時計台と目と鼻の先にある、
札幌文化芸術劇場hitaruで開催された、
玉置浩二のツアーライブを堪能した翌日。
レンタカーを駆って、洞爺湖へと足を伸ばす。
道中の国道230号の沿いの経路案内板に、
“倶知安”の文字を見付け、急遽寄り道を決定。
国道276号合流点でハンドルを右に切る。
ニセコで名の挙がる倶知安(くっちゃん)町は、
元同僚の故郷なのであります。

国道を北上していると右手に、
周囲の平地から突如として盛り上がる、
羊蹄山の雄姿が見えてくる。 道路脇や尻別川の畔に佇んでしばし、
羊蹄山のある景色を眺めるひと時。

そしてそのまま倶知安駅までやってきた。 今はまだ、素朴な地方の元国鉄の驛舎、
という印象の佇まいであるけれど、
倶知安駅は間もなく解体され、いずれなんと、
あの北海道新幹線の停車駅となる予定。
確かに駅の裏手では工事が行われていたし、
再開発の計画も進められている、らしい。
外国人だらけのニセコの入口として更に、
町が大きく変わっていくのかもしれません。

車を停め、どんな町なんだろうと辺りを散策。 羊蹄山が町を見守っているのが、
町角からも窺うことができます。

界隈をぐるっと歩いて、
駅前通りまで戻って来た。 そこで見付けたのが小豆色の建物。
壁面には”生蕎麦””みまた”の文字。
そのふたつの文字列の間には、
曲尺(かなじゃく)で囲った”又”の文字がある。

利休鼠といった渋い色合いの暖簾にも、
曲尺と又の屋号紋があり、
“巳亦”の文字が添えられている。 そして暖簾の右手にはなんと、
創業明治三十五年、との文字もある。

こんにちはと店内に入ると、
そこにも暖簾が掛かっていて、
そこには屋号紋に”みまた”とある。 食券形式とのことで、
当の暖簾の頭上にある品書き札を眺めつつ、
うーん、と腕組み思案して悩んでみる。

テーブル席に着いて、
暖簾越しの戸外を眺め遣る。 卓上の塗りの箸箱の脇にも、曲尺と又、
そこへ今度は”本店”とある。
色々微妙に違っていて、面白いね(^^)。

品書き札の先頭にあったのが、
「天入かしわそば」。 鶏肉がゴロゴロと入っていて、
ただただなんだか嬉しい(^^)。

そして、”天入”の正体がこの海老天。
まるで羽衣を着せたような、
薄い油揚げを巻いたような、
不思議な衣が面白い海老天だ。 「天ぷらラーメン」の天婦羅も、
こんな装いなのかもしれません。

蕎麦そのものは、二八でしょうか。 町蕎麦としての安定感を思います。

相棒はシンプルに「ざるそば」。 刻み海苔がたーーぷり。
うんうん、これでいいのだ、
これがいいのだ(^^)。

なかなか来ることのない倶知安の町にふと、
もう少しなにか食べておきたいなぁ、
なんて邪心が芽生えての「カレーライス」。 蕎麦屋の出汁の気配は感じるものの、
それは老若男女が嬉しいおウチカレー。
カレー皿にも、曲尺に又+本店、の刻印だ。

北海道はニセコで知られる倶知安町、
倶知安駅の駅前通り沿いに、
生蕎麦「かねまたみまたそば」本店は、ある。 創業は、暖簾にあるように、
明治三十五(1902)年、つまりは122歳。
女将さんにお訊きしたならば、
店名に添えられた”曲尺に又”は、
所謂屋号のようなもので、
“みまた”は、苗字”巳亦”であり、
営んでいるのが巳亦さん家ということだ。
ひらがなで書き綴ると反って、
なんだかややこしい感じになる(^^)。
以前は支店もあったので、
曲尺に又+本店という表示もしてるが、
今はもうここだけだそう。
「天ぷらラーメン」をいただく又の機会が、
遠からずあればいいのだけどなぁ。

「かねまたみまたそば」本店
北海道虻田郡倶知安町北一条西3-13 [Map]
0136-22-0152

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