ああ、この琉球三味線店を曲がったところ!とオジィがハンドルを左に切る。 急坂を上って「てんtoてん」の駐車場看板を目にするも、 そのままぐるっと廻ってさっきの三味線店の前(笑)。 オジィに礼を告げて、タクシーを降りました。
坂道をゆっくり歩き上ると先程の駐車場への看板が見えてくる。なるほど、オジィが判らなくても不思議はない。 「てんtoてん」は、そのほとんどを蔦に包まれているのでありました。
扉を開き、タタキにサンダルを脱ぎながら覗く店内は、 吹き抜けのある、外観からは想像し難いゆったりとした空間になっています。
卓上には、粗く手織りした藍のランチョンマットがいい表情。椅子席ではなく、座卓であるのも和んでしまう要因であります。
ご注文は、木灰すば(もっかいすば)と、 古代米おにぎり、おまがしのセット。 汗が引いていくのを感じながらのんびりと待つことといたします。
「木炭すば」の器がやってきた。かまぼこに浅葱に紅生姜に女性ならでは繊細さが窺えます。
これまた、丁寧さの伝わる澄んでコクのある豚骨と鰹出汁のスープ。ああ、清々しくも旨い、という感じのする。
麺はと云えば、如何にも手打ちな表情のびろびろ仕様。中力粉にかんすいの代わりに灰汁を混ぜてコシを出す、 沖縄伝統の味を再現したという。 もちくにゅっとしてさっと歯切れる口許の食感や歯触りの中にも丁寧な仕立てを想います。
新しい緑の葉の上に、パリっとした海苔で包んだ古代米おにぎり。添えてくれている肉みそとすばのスープと交えてを仄かな香りを愉しみます。
ちなみに以前、石垣の公設市場前で購入した赤米は、 ご飯にちょっぴり混ぜて炊くようにしている。 入れ過ぎるとご飯がびっくりするくらい濃厚な色に仕上がっちゃうんだよね(笑)。
すばとおにぎりの余韻に和んでいるところへ、涼しげな「あまがし」の器。緑豆と押し麦、餅でなす甘過ぎない甘味。 ここにも素朴さと繊細さが覗きます。
那覇は識名の住宅地に蔦の絡まる一軒屋、「てんtoてん」がある。 点と点を結ぶことは、つまりは人と人を結ぶこと。 そんな出会いを大切にする気持ちを籠めて名付けたという「てんtoてん」。 壷屋やちむん通りの「ぶくぶく」も思い出す、 「ぶくぶくー茶」もいただいておくのでありました。
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「てんtoてん」 那覇市識名4-5-2 [Map] 098-853-1060
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