RESTAURANT「VINOBLE」で 牡蠣に合うワイン裏路地の隠れ家

vinoble.jpg振り返れば、半年前の「シークレットオイスターバー」。 会場となったのは、丸の内仲通りにあるワインショップのラウンジ「THE LOUNGE」でした。 その「THE LOUNGE」のオーナーソムリエにしてグランオイスターマイスターなのが、濱岡さん。 そしてその濱岡さんの本丸は、 霞町交叉点も程近いひっそりとした裏路地にある。 通り掛かりに寄り道するひとはなかなか考え難い、 まさに隠れ家な立地。 そこに瀟洒な顔立ちのレストランがあるのです。

多分きっと此処だよねと入り込んだ先をクランクに曲がる角。vinoble00.jpg裏通りの「WODKA TONIC」の手前にあったポルトガル料理の「Vila Madalena」から、 徘徊心を発揮して回り道した時に「こんなところにレストランがあるんだぁ。」と、 そう思ったことをデジャヴュのように思い出します。

外装が抱かせてくれる雰囲気を一層盛り上げてくれる、 白基調が柔らかく、かつオーセンティックな内装と調度。vinoble01.jpgvinoble02.jpg吹き抜けも辿る二階席の奥へとご案内いただきました。 一番乗りとなった二階のフロアのテーブルたちも、 気がつけばすべてが埋まることになります。

実は、テーブルの予約を入れた後日、 日本オイスター協会の会長から嬉しい当選のお知らせをいただきました。 協会から届く”かき得メール”にあった、 「VINOBLE」濱岡さんから牡蠣に合うワインのフルボトルをプレゼント!

この夜は、クリスマスの特別メニューが設定されていた日なのだけど、 そんな訳で無理をお願いして、生牡蠣のお皿も添えていただきました。

届いた殻付き生牡蠣は、ご存知「大黒神島」。vinoble03.jpgあの、瀬戸内の清澄な海域で育まれた牡蠣だ。

そこへ濱岡さんが合わせてくれたのが、 ミュスカデのシュル・リー「MUSCADET DE SEVRE ET MAINE SUR LIE 2010」。vinoble04.jpgvinoble05.jpgキリッとした酸に角がなく滑らかで、 ミネラルな気配と蜜な華やぎが折り重なるように消えてゆく感じ。 美味しく、かつ成る程牡蠣の風味によくマッチしてくれます。

プチフールに続くお皿は、 「カワハギのカルパッチョ キャビア添え その肝のクリームをアクセントに」。vinoble06.jpg 桜色を帯びたその身。 お皿の縁に置いたのは、カワハギの肝を叩いてオイルで整えてソースとしたもの。 真冬の海上で極寒に耐えながらカワハギ釣りをしたことを思い出しながら、 肝のソースを載せた身をいただきます。 河豚より旨いンと違う?と思うことの多いカワハギと肝の組み合わせだけど、 うんうん、やっぱり美味しいね。

濱岡さんは、蓼科に自家菜園を持っているそうで、 そこで収穫した菊芋のスープに浮かべたのが、「鴨フォア・グラのソテ」。vinoble07.jpgvinoble08.jpg黒トリュフの馨りを戴くフォアグラの蕩けるような濃密な旨味。 それを包み込んでなおじっくりと滋味を深める菊芋のソースがいい。

手長海老とか、海老のエキスが香ばしいパスタって美味しいよね、 ってなことでお迎えしたお皿は、 「手打ちパスタ”タリエリーニ” 活オマール海老のソテとその濃厚なビスクを合わせて」。vinoble09.jpgオマールのぶりっと肉厚な身肉の甘さもさることながら、 そのガラも含めた身全体から抽出されたであろう旨味エキスが、ああ、堪らない。

「赤牛の真空低温調理 ローストビーフ仕立て」は、 生姜の香る赤ワインソースで。vinoble10.jpg生姜の風味が明快に活きる赤ワインソースって、初めてな気がする。 ややもするとクドくなりがちなソースに軽快さを添えつつ、 しっとりと仕上がった赤牛の魅力を引き立てます。

vinoble11.jpg デザートのひとつが、 「フロマージュブランのムース はっさくのジュレと共に」。 そして、「サブレをつかった苺のミルフィーユ仕立て ピスタチオのアイスクリームと共に」。vinoble12.jpgピスタチオのアイスは、今や定番だね。

霞町の裏路地の隠れ家レストラン「VINOBLE」は、 ソムリエにしてグランオイスターマイスターな濱岡さんのお店。vinoble13.jpgWebサイトには、 “「VINO」(ラテン語でワイン)と「NOBLE」(高貴な、素晴らしい)の造語。 世界各国の素晴らしいワインが沢山あり、 多くのお客様に楽しんでいただきたくこの名を選びました。” とある。 ソムリエである自分がワインと牡蠣との魅力にも出逢って、 これからはよりその点にも力を入れていきたいのですと語る濱岡さんは今、 麻布界隈で物件を探索中。 其処にずっとあって欲しいと想う、 まさに隠れ家と呼ぶに相応しい素敵なレストランなのだけど、 契約更改を機会にしてこの裏路地を離れることを決意したと云う。 恵比寿の隠れ家「園山」と同じく、 物件の契約更改は、次のステージに移るきっかけにもなるのだね。
厨房やホールのスタッフが散り々々になってしまうのはとっても残念ですと心配したら、 忙しくなっている丸の内「THE LOUNGE」に集結することになっているそう。 濱岡さんの新しい舞台にも期待しましょう。

口 関連記事:   ENOTECA「THE LOUNGE」で未来へのシークレットオイスターバー(12年07月)   ポルトガル料理「Vila Madalena」で バカリャウとカタプラーナ(09年03月)   BAR「WODKA TONIC」で暗がりのオーセンティックひそひそ話(02年08月)   家庭料理割烹「園山」で 玉蜀黍冬瓜蕃茄縞綱麻の野菜パフェ(11年11月)


「VINOBLE」 港区西麻布2-25-32 [Map] 03-6411-5051 http://vinoble.jp/
column/03336