炭火焼「鳥久」で ふわり旨い出色れば砂肝から揚げ正しき焼鳥

torikyu.jpg梅酒を以前から毎年恒例で仕込んでいる、 というのむちゃん。 売るほどありますよ〜という台詞に、それならと(笑)。 お裾分けに預かろうとトコトコ出掛けていった夏の日の週末のこと。 暑いねーと挨拶を交わす間もなく、 どどんと並んだ赤いキャップの貯蔵瓶たちが眼前に。 年度の違いに仕込んだジン、ラム、泡盛などといったお酒の違い、そして氷砂糖か黒糖かなどとバラエティーがあって面白い。 どうやらのむちゃんも久し振りに開けるらしく、 どうなってるかなぁ〜と瓶を覗き込んでは香りを確かめる。 おおお、美味しい!!のもあれば、 中には黒糖の不純物がなんかちょっと悪戯した?って微妙に首を傾げたりするのもあって、 それもまた愉しいぞ(笑)。 図々しくも、選りすぐりの3種類をいただいたのであります。 ありがとう。

その足で向かったのは、阿佐ヶ谷北口の魅惑の呑み屋街「スターロード」方面。 その、ちょっと横丁した路地にあるのが、炭火焼焼き鳥の「鳥久」。 開店時間に即満席になるのが常で、間に合うかしらんと急く足に夏休み帰国中のlaraさんも合流です。

奥側のテーブル席を得られて、振り返った入口の建具には、 「酒」「鳥」の文字が潔く標されて、なんだか気風がいい。torikyu01.jpg 暑さから、最初だけはやっぱり麦酒かと所望して、 如何にも涼しげな「夏野菜の酢づけ」に「水なすづけ」。torikyu02.jpgtorikyu03.jpgオクラの産毛に瑞々しさを想います。

お品書きの右からずっと(笑)とお願いしていた、 その筆頭の「やきとり」と「つくね」が届きます。torikyu04.jpgtorikyu05.jpg当然ながら、そんじょそこらの出来合い焼鳥とは明らかに違うのがすぐ判る。 ほろほろっと芳ばしく、そのくせ旨味がグッと滲む「つくね」にも思わず唸ります。

空かさず表面張力の日本酒に切り替えて。torikyu06.jpg

そこへやってきたのが「れば」に「しんぞう」。 この晩の出色はなんといってもこの「れば」だ。torikyu07.jpgtorikyu08.jpgえ?もしかして今さっきのつぶしたて?と慌てるくらいの鮮度を想う。 肌理細やかにふわりとして、レバー独特のコクが軽やかに消えてゆく。 あああ、旨いよ、美味しいよ。

串モノの間を縫って登場が、「もものから揚げ」。torikyu09.jpg十分に叩いた片栗に包まれて、表面に油の気配の窺えないカラッと具合。 火傷しないようにとフーフーしてからそっと噛めば、そっと弾ける旨味と脂の品の良さ。 鳥の唐揚げとはこうあるべしという、見本と思ってよいでしょう。

気がつけば疾っくに店内は満席で、torikyu10.jpgカウンターには浴衣姿のおねえさんがいたりして、粋に涼やかだ(笑)。

「くび肉焼」「かわ焼」「砂肝」「なんこつ」に「伊達鶏」「しそ焼」と、 さらに続々と串が焼き上がり。 torikyu11.jpgtorikyu12.jpgtorikyu15.jpgtorikyu16.jpg どれもイケるお陰で、お酒のお代わりも重なるところ。

「れば」へのトキメキには敵わないながら、この「砂肝」も堪らない串のひとつ。torikyu13.jpg内蔵系に心惹かれつつ、身肉の串の端正な美味しさに和みつつ、であります。

しっかり〆てしまおうと(笑)、「鳥ぞうすい」。torikyu17.jpg納得のスープに淀みなく、旨みひたひた。 ああ、今宵、佳い酔い、心地よい。

阿佐ヶ谷、スターロードの横丁に正しき焼鳥処、炭火焼「鳥久」。torikyu18.jpg満席人気のその訳に素直に頷きながら雨に濡れたスターロードを辿ります。


「鳥久」 杉並区阿佐谷北2-12-22 [Map] 03-3310-2606
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