そんな一角のマンション一階が目的地。 手打ち蕎麦切りの「土山人」の本丸と思しき芦屋のお店に闖入です。
涼しげな暖簾を払うと、空席待ちがお三人様。 長椅子に腰掛けて店内を眺めると、大きなテーブルに先客さん達。竹を縦に通した間仕切りの向こうには、 ゆらゆらとこれまた涼しげに金魚の泳ぐ甕が覗きます。
案内されたのは、大きなテーブルの一番奥の厨房前。 早速手にしたお品書きには、お目当ての「すだちそば」が見つかります。 おすすめの細挽きそば(せいろ)に「かきあげ」を添えてもらいます。
ちょっと小鉢も欲しいなぁと「季節の一品」から「焼穴子とゴーヤの土佐酢和え」を。土佐酢にちょっと丸くなったゴーヤの苦み青みと穴子の香ばしさが良く似合って、 成る程夏のお味です。
そこへお待ち兼ねの「すだちそば」の器が届く。 丁寧に並べたであろう酢橘の輪切りは、向こうが透けるような極薄スライス。 苦味が出始めたら小皿に取ってください、というような口上だけど、 まずは冷やかけ出汁をそっといただきます。
ああ、涼し旨い。すっきりとふくよかな出汁の旨みに目を閉じる(笑)。 そこへ酢橘の香気がじわじわと包んでゆきます。
薄切り酢橘と蕎麦を一緒に啜るの図。蕎麦そのものが石臼挽き手打ちの魅力を存分に顕して。 酢橘は途中で器から外すことになるのかぁと思いながら、結局全部いただいちゃった。 極薄スライスであるがゆえの醍醐味なのでありますねー。
「かきあげ」は、ざく切りの海老や烏賊メインの贅沢魚介掻き揚げ。齧る魚介が甘く解ける。 「かきあげ」の品のいい油っ気が、啜る蕎麦に粋な合いの手を添えてくれます。
外の炎天を硝子越しに想いながら、デザートに「そば茶の自家製アイス」。そば茶の香ばしさがそのままヒンヤリいただける。 注いでくれた熱いそば茶とのコントラストが面白いのでありました。
自家製粉石臼挽き手打蕎麦「芦屋 土山人」。Webサイトに店名「土山人」の由来が載っている。 「店名の『土山人』とは旧知の陶芸家の陶号を譲り受けたもので、 好評の器類の大半はこの作家の作品である。」 成る程、小鉢もどんぶりも乙なものであるし、看板の文字も陶器製だものね。 堂島~福島に北浜、天満橋、東京は青葉台にもお店があるようです。
芦屋市川西町7-3 ビューハイツ1F [Map] 0797-35-8100 http://www.dosanjin.co.jp/
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