雲間に陽射しが洩れ始めたところで、漸くのお出掛け。 何度も石垣を訪れているのにまだ一度も足を運んでいなかった八重山博物館で、 有史以来の八重山の風土文化の変遷に触れ、 「みね屋工房」で体験はた織に勤しんだり。 いつぞやお邪魔した八重山膳符「こっかーら」のご主人の生家、 宮良殿内(みやらどんち)を訪ね、オジイの早口に聞き入ったり。
そしてまだまだ強い風が時折襲う夕暮れ時には、 これまたずっと気になっていた「パポイヤ」へ。 石垣牛ステーキの店「パポイヤ」は、 飲食店街の美崎町のゲートを潜った市役所通り沿いにある雑居ビルの8階にある。
予約の名を告げると見晴らしの良さそうな窓際のボックス席へと案内してくれました。 天気が良ければ、夕焼けの離島ターミナルを拝められたのかもしれないけれど、 颱風の影響でどん曇り。足元にはさっき抜けてきたゲートと右にゆっくるカーブする繁華街の通りが見下ろせる。 颱風が運んだ海水で街全体が塩っぽい気がします。
注文をお願いするとオーナーシェフが早速、 オーダーした石垣牛の肉を手にテーブルまで。お願いしたのは、「サーロインステーキ」を200gです。
やっぱり此処でも「オリオン」のジョッキをぐっと傾ける。お通しには、牛すじのニンニク炒めとゴーヤのピクルス。 佃煮風の牛すじは、トリミングした際の石垣牛の端肉を活かしたものなのでしょう。 空いていたテーブル席も次第に埋まっていきます。
訪れた島ならでは石垣牛を生で少々と、石垣牛「牛刺」を。シェフは、レバーならずとも自己責任でと仰る。 本来火を入れて食べてきたものを生でいただこうとすると、 いろいろと難しいことがでてくるもので。 それでも、すーっと甘く、舌に温められる瞬間に旨味が綻ぶ感じは、 心動かされますもンね(笑)。
ポタージュな人参のスープを平らげたところにお待ち兼ね。 ステーキの鉄板がやってきました。まずは、じっと湯気を上げる網状の焼き目を愛でてから、ナイフ&フォークを手にします。 添えてある葉は、ハンダマだ。
ミディアムでお願いした石垣牛は、 焼いて嵩が痩せることなく端正なまま。まずは、石垣の塩でいただけば、 これまたすーっと甘く、そして華やかな旨味が品よく弾ける。
ナイフを入れた断面を眺めながら、 もうちょっとレアだったら、もうちょっと火を入れたらとかを妄想する(笑)。塩でいただいたあとの後半は、 島葱・玉葱を浮かべた甘めソースやさらっとした辛め醤油ソースも試してみる。 やはり島の塩で齧るのが一番、真っ直ぐに石垣牛の堪能できそうです。
JA八重山推奨、島を代表する石垣牛ステーキの店のひとつ「パポイヤpapoiya」。有名店、炭火焼肉「やまもと」で石垣牛のあれこれを喰らう醍醐味も捨てがたいけれど、 こうしてステーキ一枚に集中していただくのもいい。 今度は、ランチ時に要予約と聞く「ハンバーグ」をいただくか。 それとも、腕捲りしつつ奮発して「特上石垣牛ステーキ」(9,000円也)に挑むか。 まずは、ハンバーグからかな(笑)。
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「パポイヤPAPOIYA」 石垣市大川258 レオビル 8F [Map] 0980-83-3706
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