演歌の流れる昭和のままの店内。 おばちゃんに促されるままテーブルへ。まずはやっぱり麦酒のジョッキをいただきましょう。
壁に掛かるは、すっかり艶の出た額に収まった品札たち。 その下の貼紙には、河童名物「てっちゃん」にカルビならぬ「カルピ」。河童の串焼き「サテバービー」なる文字も読めます。
一番最初にどうぞってなことで、河童名物「てっちゃん」から。 店の雰囲気にも良く似合う真ん丸顔のおばちゃんに焼き方指南を頂戴します。
「もやし」や「キムチ」で麦酒をやっつけながら、鉄板の「てっちゃん」を見詰める。 鉄板の場所によって火の通りが違うので、ローテーションを考慮する。 じっくり焼いてひっくり返して、トータルの焼き時間10分ほど。よーく滲みた甘辛い味噌タレとよく焼きの香ばしさの奥からザ・ホルモンの滋味が弾ける。 これには麦酒よりも、焼酎だね。
おばちゃんにごちゃごちゃ云われるのを鬱陶しがる先輩とそれを面白がる自分(笑)。 初めてお邪魔したお店ですもの、一応耳を傾けたい。 大阪お上りさんにとっては、こてこて大阪弁が心地いいのであります。
「サテバービー」は、貼紙の説明通りの串焼き。バリのクタかウブド辺りの屋台にもありそうな、ちょっとエスニックな景色を漂わせた竹串の牛肉。 “サテ”はおそらくインドネシア料理辺りの”サテ”なんだろうけど、 さて”バービー”はなんのことだろね。
「特上ハラミ」に「上ミノ」に「マメ」を盛り合わせ。 見た目からも鮮度を思う「マメ」は、つまりは腎臓のこと。 気になる臭みもなく、独特の食感が愉しめます。 食感、歯応えといえば、ミノの得意技でもある。 そして、豊潤に脂解けるハラミに文句はありません。
特撰と謳うは、骨付の「カルピ」。ハラミもいいけどカルビもね。 というか、やっぱりカルビが焼肉の王様部位なのだとしみじみ想う瞬間がある。 ああ、焼き過ぎてはいけません。 おばちゃんが目を光らせてくれています(笑)。
創業来30余年という、曽根崎お初天神通りのホルモン「河童」。次に寄ったら今度は忘れずに、店名「河童」の由来を訊ねたい。 失礼ながら、おやじさんが河童的風貌だから?などと想像しちゃったけど(笑)。 そしてまた、おばちゃんのお世話にならなくちゃ。
「河童」 大阪市北区曽根崎2-10-15 曽根崎センタービル B1F [Map] 06-6314-0246
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