今日も今日とて、牡蠣を喰らおうと街中を徘徊します。 なんとなく向けた足は亀島橋を渡り、新川を突っ切って進みます。 いよいよ熟してきた時季に改めて「新川 津々井」に寄ってみちゃうのもいいけれどと思案しつつもう少し先へと歩きます。 「カリーシュダ」という手もあるぞと横目にしながら、 その先のA看板を斜めに読みました。 「牡蠣フライ タルタルソース」。 「ダブルハンバーグ」や「ローストポーク ジンジャーソース」「ひな鶏のロースト」といったメニューに並んで牡蠣メニューを見つけたのは、ご無沙汰のビストロ「マルセイユ」の店頭でした。 女子率も高い店内は、もう既に満席になろうという勢い。あっという間に席を待つひと影が生まれます。 おひとりさまはカウンターに腰掛けて、目の前のビールサーバーを眺めつつお願いしていたお皿の到着を今か今かと(笑)待ち侘びる。 「マルセイユ」の「牡蠣フライ」は、サラダもライスも一緒盛りのプレート仕立て。 見るからにサックリ歯触りが想像できちゃう衣の表情にぐっと惹き込まれます。小皿にたっぷり用意してくれているタルタルを適量載せて齧り付く。 ああ、久し振りにやってしまいそうになる、牡蠣フライによる上顎ぷち火傷。 慌てて、ふーふー、いたします。ナイフを下ろした断面の表情も澄んだ海の滋味を想わせます。 想定通りにサクカリの衣と清らかな牡蠣の風味に、うんうん、満足。
他にも気になるメニュー目白押しの「マルセイユ」だけど、特に気になるメニューがひとつ。 そいつをいただきに新川郵便局の前を通り過ぎます。 やっぱりおひとりさまが座ったカウンターでお願いしたのは、 「短角牛!イチボ肉のステーキ」。 ランチで1,800円は大奮発(笑)。 おすすめに従って、レアで焼いてもらいます。 当のお皿もサラダ、ライスと一緒盛りスタイル。赤味を帯びた焼き色が艶やかに誘う短角牛のステーキが当然の主役です。 やおらナイフを入れるとすっと受け入れるイチボ肉。短角牛(日本短角種)は、南部牛をルーツとした、主に東北地方で少数飼育されている日本固有の肉専用種。 イチボというのは、牛のお尻、腰骨付近の赤味肉を指すらしい。 小皿に用意されたシェフ特製のトリュフ塩をほんの少し載せて、口へ。 レアに焼いた断面は赤々として、焼き目に感じたと同じ肌理の整った柔らかさを思わせます。 ああ、ああ、おひる時からこんな至福な味わいを愉しんでしまってよいのかと一瞬後ろめたい気分も過ぎります。 旨いお肉は塩でイクのがよいね、よいね。
新川界隈を代表するビストロの雄、「Marselle(マルセイユ)」。今日も今日とて、淑女紳士たちの味蕾と満足中枢に訴えるお皿を提供してくれています。 口 関連記事: bistro「Marseille」で 白い球形グルメ煮込みハンバーグランチ(07年04月) にっぽんの洋食「新川 津々井」で 小振り細身なカキフライランチ(10年10月)
「Marseille」 中央区新川1-15-10[Map] 03-5540-7179
column/03100