日比谷パークビルが鋼板で囲まれ、解体が始まったのはいつのことだったかな。
それはもう、おそらく5、6年前のこと(2003年)。
「アメリカン・ファーマシー」など、駐留米軍が及ぼした匂いの残滓があちこちにあって、独特の雰囲気があったことを覚えています。
その場所が「ザ・ペニンシュラ東京」に生まれ変わったのが、2007年9月のこと。
以来、見上げることはあっても、ホテルの中にアプローチする機会もなく過ごしていました。
日比谷パークビルに同じく解体されてしまった三信ビルの跡地では
「大つけ麺博」やってるンだよね、などと話しながら皇居側のメインエントランスへ。
柔らかなローズピンクに照らしたホテルの威容を見上げつつ、エントランスのレストラン「ザ・ロビー」を通じてエレベータに乗り込みました。
降り立ったのは、最上階のラウンジ「Peter」。
ピンク、パープル、ブルーのグラデーションの光が包むpassageが迎えてくれます。
ステージを囲むようにゆったりと配されたテーブルたち。
そしてそのラウンジ全体を、全面硝子越しの夜景が、包むように迫るように。
黄昏時の眺望なんか特にきっと、素晴らしいンだろうなぁ。
今宵の「Peter」は、
Suntory「響12年」とのコラボ・ナイト「TOKYO NIGHT CLUB at Peter」。
暗がりに浮かび上がるように飾られた「響12年」は、30年、21年、17年に並んで、この9月に発売された新しいラインナップだ。
ここ「Peter」でのリコメンドが「響&ペリエ」。
円やかな甘い風味を基調としている「響」と、爽やかなミネラルの風味の「Perrier」の出会い。
そのスムースで甘美な呑み口に、思わず一気飲みしてしましいそうになる(笑)。
二杯めのグラスをいただいたところで、
スタンダードな歌声がラウンジに沁みるように響いてきた。
朗らかで安定感のあるその歌声と「響&ペリエ」のゆるゆるとした酔い気分が相乗して、
心地いい。
「響」を練り込んでいるというショコラを読点にして、おずおずと三杯目(笑)。
「響」の持つ一種の甘さは単調なものではなくて、幾つものニュアンスの違う香気がサテンが折り重なる様に通り過ぎてゆく。
その襞の間を「ペリエ」の泡の煌めきがそよいでいくような、
そんなグラスが「響&ペリエ」なんだ。
「TOKYO NIGHT CLUB at Peter」。
ちょうど日付の進む頃、大人なラウンジのざわめきとパノラマな夜景が包む世界を後にします。
その帰り際にいただいたお土産の箱を開けば、
「響12年」のミニチュアボトルと「ペリエ」のボトル。
いつものグラスで一杯つくってみたけれど、フルートグラスの方がお似合いだったかな(笑)。
「Peter」 千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペニンシュラ東京24F
[MAP] 03-6270-2763
http://www.peninsula.com/Tokyo/Peter/
column/02891