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新宿煮干「凪」で 特煮干ラーメン煮干出汁の野趣とぶりぶり麺
気がつけば、【ど・凪】コラボ企画の列に並んでからもう、一年以上が過ぎている。
そして、新宿のゴールデン街に「凪」の店が復活したと知ったのはいつのことだったかな。
くにちゃんのレポートにあるように、渋谷とはまた違う展開をみせているというのが、気になっていました。
日頃から身近な訳ではないものの、ゴールデン街にラーメン食べに行くってのは、なんだかちょっと妙な感覚。
4年振りのゴールデン街に乗り込んでみました。
区役所や四季の道からではなくて、花園神社側からアプローチ。
当てずっぽうにアーチを潜って進むと、左手に提燈が見えてきた。
日の丸の赤い円に「凪」の文字、そして「新宿ゴールデン街」とその提燈にある。
頭上の突出看板には、新宿、煮干。
そうか、そうだ煮干出汁のドンブリなンだよねと思いながら、半間にも満たないドアを開けると想定外にすぐ階段がある。
登るにも狭く急な階段を上がると、なるほど煮干の匂いが次第に濃くなってくる。
如何にもゴールデン街の店らしい狭さのカウンターと湯気が迎えてくれます。
お願いしたのは、段ボールに手書き文字の品書きにおススメとある「特煮干ラーメン」。
薄暗い中でみても、スープにはたっぷりと煮干諸々のエキスが煮出されているのが判る。
繊細でストイックにも映る「伊藤」のそれと比べると、力強い野趣を思わせるスープ。
ぐっとくるボディに煮干臭さや一抹のエグミも風味の個性と心得ているかのよう。
きりっとしたタレの切れ味やよろしく、卓上に用意された「煮干汁」でさらに魚出汁が花開く。
そこへ「電車で運ぶ自家製麺」と謳うぶりぶりつるんとした太麺が拮抗するように寄り添うようにバランスして、いい。
3cmはあろうかという幅の「いったんも麺」と呼ぶ麺で違う食感が愉しめる。
うーむ、なるほど。
飲み干しちゃったドンブリの底には、煮干の破片がそこここに。
つけ麺はどうだろうと別の夜。
以前はなかった券売機が階段の上に置いてある。
酒場のど真ん中らしく(?)、ビールぐらいはネと、それならやっぱり「自家製ギョーザ」もネといただいて、「味玉つけ麺」を普通盛り(300g)でお願いします。
自家製麺を証明するかのように例の幅広麺が添えられて、こんもりと盛られた麺。
力関係を保つように、濃い味に仕立てたつけダレにも煮干のエキス。
ただ、ふんふんと直裁に花開くよう迫ってくれる煮干の風味旨味の臨場感は温かスープたっぷりのラーメンにやや譲る感じか。
啜り終わって、スープ割りをしてもらえば、そうそうコレコレと頷いて(笑)。
かつて、どこかちょっと肩を窄めて歩いていたゴールデン街も今は、往時の匂いを失いかけているようにもみえる。
それは寂しいことなのかもしれないけれど、そんな中で着実にゴールデン街へひとを呼んでいる、
新宿「凪」。照度の低い店内には、ゴールデン街の残り香が沁みている。
深夜から明け方にかけての雰囲気は、またちょっと違うのかもしれないな。
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「凪」新宿ゴールデン街店 新宿区歌舞伎町1-1-10 2F [Map] 03-3205-1925