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どてやき「どての品川」で どてやきモツの風味との相性を思ふ
どうも、「どて」と訊くと、日本堤の「土手の伊勢屋」に連想が飛んで、どこかの河川の土手に由来のあるお店なのかな、なんて思ってしまう。
でも、「どての品川」の「どて」は、それとは意味が違う。
駅にすれば、名鉄の堀田という駅から高速を潜ったあたりの住宅地。
昼間通れば、すーと通り過ぎてしまいそうな町角の一軒が、夕方あたりから酔客に囲まれはじめるという。
うん、行かなくちゃ(笑)。
グツグツいってるどての鍋や焼き台を眼前にして路上で呑るのが、
ここでは、きっと常道で粋な挑み方。
でも、ちょっと寒いのと(笑)、落ち着いて呑んじゃいたいので、中へと入れてもらいます。
しっかり予約の入っているらしい座敷の手前にふたつだけテーブルがあって、その隅っこに陣取りました。
生中をいただいて、手始めに品札の右から4種類、「串かつ」「どてやき」「とんやき」「きもやき」をいただきます。
注文に受け答えしてくれたのは、風貌すっかりヤンキーな兄ちゃん。
「串かつは味噌?」「へ?」
あ、「串かつ」にどての味噌をつけちゃっていいかどうかを確認してるのだろう、そう推測して、「ん、うん、味噌で」と告げると、ニッコリして「はい!」。
ヘタなことを云うとなんだかスゴまれそうな雰囲気ではあるけど、意外と優しいかも(笑)。
もつの香りが飲兵衛心を煽る看板の「どてやき」に、「きもやき」もいい。
そして、とっぷりと味噌に浸った「串かつ」がこれまたうめぇ。
甘すぎずしつこくなく、といって十分なコクと風味のふくらみを湛えた味噌と揚げ衣に包んだ豚のコンビにやられて、三本追加(笑)。豚の切り身が小さくて、何本でも食べられそうなところがまたいじらしくっていいのだな。
「ねぎまフライ」を二度づけなしヨの要領でソースに浸していただいて、テーブルの真ん中に置かれたトレーのキャベツをバリバリ齧ってしているところへ届いたのが、塩焼きしてもらった「しんぞう」。
砂肝のような歯触りだけど、そこにちょっと滑るような感触としっかとした旨味があって、
うん、これもいい。
じゃあ「砂肝」はどうだろうと焼いてもらうと、割と柔らかな歯応えの中に心憎い凝縮感があって、塩の加減もいい。
どうも味噌で「こんにゃく」というと、厚切りした蒟蒻を湯掻いて、ふろふき大根に添えるような味噌ダレを垂らすヤツを思い浮かべてしまうのだけれど、はっきり云って、こうして薄切りにしてコトコト煮た方が味がよく滲みて、断然旨いね~。うんうん。
そして、「どての品川」での〆はやっぱり「どてやき」で。どうしてこう、モツの風味といふのは味噌と相性がいいのだろうかと、互いに高めあってる感じだもんな、と腕組んで感心したりする(笑)。
店内はもとより、店頭で立ち呑みするも賑やかな「どての品川」。
ちょっと一杯ひっかけては、すっと立ち去るオヤジがちょっぴり小粋に見えるのは気のせいか(笑)。
そうそう、名駅の「のんき屋」も此処に似た風情がありますね。
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「どての品川」 名古屋市瑞穂区下坂町1-23 [Map] 052-881-5529