
日本堤の有名な天麩羅屋「土手の伊勢屋」の兄弟店が、
隣町の千束にあるという。
圧倒するようなシツコさにほぼノックアウトだった「土手の伊勢屋」だけど、兄弟店はまた多少違ったりするのかも、と冒険心が湧いてきました。
昭和通りと国際通りとを結ぶ金美館通りという鄙びちゃった通りのアーケード。
その一辺に、ひっそりとした表情の「千束 いせや」がありました。
「土手」ほどの枯れはありませんが、こちらのお店も年期の入った昭和な井出達。
使い込んだカウンターの丸椅子へ腰掛けようとしたら、「どぞ」とオカアサンに左手のテーブルを勧められました。
海老、きす、烏賊の「天麩羅定食」か「天丼」がひとまずの選択肢。
女性におススメの新メニューとある「海老と野菜の小天丼」をオッサンが注文んじゃ、オカアサン嗤うなかぁと悩んで、「若いヒト達はこれだわね、だいたい」という「海老穴子天丼」をお願いしました。若く見えたのでしょうか(笑)。
穴子の骨の刺さったどんぶりには、当然の如く、深く濃いぃ茶色の天麩羅が横たわる。

サプライズな盛り込みだった「土手」の「穴子天丼」と比べちゃうと、地味な印象は否めません。
ところが食べ口は、意外と軽くて好感。
甘いツユには違いないけど、
そこへさっと潜らせたような衣には幾許かの軽妙さが残っているンだ。

メニューに車海老とあるのは、開いて揚げた一匹のことらしい。
他の二匹も含めて海老のサイズは寂しいし、ご飯はもう少し硬めに炊ていほしい。
そしてお椀くらいつけて欲しいよなぁ。
あれ?ぺろっと食べちゃったクセして、要望が多いかも(笑)。
思えば、胡麻油っぽさを強くは感じなかったあたりが、つまりは揚げ油の構成が「土手」と違うのかもしれないな。
“○に天”を暖簾の中央にする「千束 いせや」。

蔵前にもご兄弟のお店があるようです。
「千束 いせや」 台東区千束2-23-5 03-3872-5588
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