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AUTHENTIC BAR「Boby’s Bar」で liqueurの森40年の節目
大阪で気になるバーの筆頭と云えば、
間違いなく一番なのが、そう、「Boby’s Bar」。
またお邪魔したいしたいと思っていても、ちょうどいい時間帯にこの界隈にいることがなくって、随分とご無沙汰の再訪です。
マスターがそこそこいいお歳なので、休んでたりはしてないよなーとほんの少し心配しながら看板の灯りを探しては、きちんと夜道を誘っているのを認めてひと安心です。
「Boby’s Bar」へと辿る二階への階段の脇には、”since 1969″と刻んだ「BOBY’S」の銘板が掲げられている。
そしてその下には、年月を重ねてきたお店に対するマスターの想いと自負と矜持とが込められたコメントが紹介されています。
おひとり客とちょうど入れ替わりで、他に客のないカウンター。
「こんばんはー」と云いながら、ちょっと左寄りの止まり木にすっと滑り込みます。
ここへ来たらならもう、マスターにオマカセ・モード。
やっぱりリキュールから選んでもらいます。
まずは、前肢を上げた乗馬のラベルの「ROYAL COMBIER」。スパイスの風味がふんとしながら、滑らかに甘いオレンジキュラソーの深み。
裏ラベルには、「アロエ、ナツメグ、ミルラ、カルダモン、シナモン、サフランをつけこんだ」とあって、なんだかカレーみたいだね(笑)。
今度はハーブ系でとお願いすると、ニヤリとしてボトルの森から引き抜いたのがカラフルなラベルの「Eyguebelle」。華やぐようなボトルは、蜂蜜を配合しているという黄色い滴、ジョーヌ。
エギュベル修道院の遺産ともいわれる伝統のレシピが生みだす熟成だそう。
幾多の植物のエキスが一瞬にしてふわっと馨って、それをすっきりとして艶かしい蜜が包む感じだ。
そうだ、前回果たせなかった階段上のボトルの森を拝みたいとお願いしたものの、残念ながらほいっと来た客が上がれる状態じゃないご様子。
ならば、そこへのアプローチだけでも眺めたいと階段を見上げれば、階段の幅の半分以上を占めるボトルたちの群列。
おー、と唸っちゃいます(笑)。
そしたらお次はクリーム系でとリクエストすると、なかなかに秘蔵の品らしい白いボトル、
「AMANDA」。ラベルの縁取りが綻んでいるあたりにも秘匿の影が滲んでる。
「METAXA」とあるのは、ギリシャの古い蒸溜酒会社のことらしい。
ベタつかない甘さの中からカカオの風味がぐぐいっと湧き上がる、そんな呑み口だ。
徐々にこんなボトルも開け始めているンだよ、とマスターが云うのは、この4月でなんと40周年を迎えようとしていることもあるから。
それは、さっきみた階下の銘板にも、コースターにも、そしてグラスに彫られた文字にも、
“since 1969″とあることからも判る。
そして、それを節目として、マスターのバーテンダーとしての誇りと感性を引き継いでくれる人物にこのカウンターを委ねることを考えているのだという。
千頭マスターあっての「Boby’s Bar」がそうでなくなる日が、
もしかしたら近づいているのかもしれません。今度は、ジンしばりで、マスターの世界を披露して欲しいと思っているのだけど、4月までに再びお邪魔できるかなぁ。
口関連記事:AUTHENTIC BAR「Boby’s Bar」で リキュールづくしの小宇宙(07年09月)
「Boby’s Bar」 大阪市北区曽根崎1-6-23 千種会館2F [Map] 06-6363-7827