浅草寺の北側、つまりは仲見世とは反対側の界隈は、
俗に観音裏と呼ばれていて、
洋食の「佐久良」や「グリルグランド」「大坂屋」なんかもこの辺り。
ぽつぽつと味な店の点在が気になるエリアです。
そんな、見番のある町、観音裏柳通りにあるそば屋「弁天」に寄ってみました。
暖簾を潜ると正面に厨房のオッチャンオバチャンの姿が映ります。
左手にテーブル、右手に小あがりがあって、その間に浮島のようなカウンターがある。
なんとなく所在ない感じにはなりますが、まぁひとり客用ですね。
寒空の下ですから、温かい「鴨そば」もありかと思いつつ、
お願いしたのは「鴨せいろう」です。
鴨の脂と風味が滲んだつけ汁をイメージしていたら、なんとその鴨が別皿に盛られてきました。おー、そうきたかぁ。
ちょっと拍子抜けではあるけど、これはこれでイケるのかも。
まずは、そばのみを啜る。きりっとしながら風味にも量感があって、悪くないせいろだ。
つゆがちょいと辛過ぎるきらいはあるものの、江戸前な感じは醸してくれている。
そして別皿の鴨と葱。
お上品にしても始まらない(?)ので、えええいぃとつゆに投入して、蕎麦と合わせ口へ。
スジスジしないで、ムニニンという鴨独特の歯応えと柔らかさ。
ふむ。こうしてつゆと別にすることで、そのあたりが率直に楽しめるような気もする。
でもやっぱり、脂がダラシナくつゆに溶けた鴨せいろの方がボクは好きだなぁ。
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「
弁天」 台東区浅草3-21-8 03-3874-4082
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