レストラン「ローゼ」

rose.jpg聖路加方面を歩いていたら、フェンス越しにいまやレトロなテントの庇を見つけました。紅、白、蒼、緑。くすんだ感じが積年の風合いを感じさせます。ランチの「メンチカツ・白身魚フライ盛り合わせ」か「ポークピリカラソテー」もいいかと階段を上がる。化粧合板を廻したカウンターや椅子テーブルの調度類が発する雰囲気に、懐かしい昭和な匂いに包まれるのを感じます。「ステーキまつり」と題されたメニューの一片に、かなりがんばった価格です、とコメントしつつ700円引きにしてくれている「シャリヤピンステーキ」をお願いしてみましょう。オニオン香味焼き、と小さく補足されているように「シャリアピンステーキ」とは、摩り下ろした玉葱に漬け込んだ牛肉を飴色に炒めた玉葱のソースで仕上げたもの。帝国ホテルのシェフがロシアの声楽家シャリアピンのために考案したスタイルとして知られていると魚菜学園の教室でも教わった、ような気がする(笑)。叩いて伸ばし柔らかくしている所為か、決して厚みのあるステーキではないけど、下町ックにご飯のススム感じで、いい。気がつけば店内は満席で、階段で席が空くのを待つ人がいる。コーヒーのお勧めを辞してドアを出たところで、壁に貼られた貼紙に目が留まった。ビル建替のため、この20日で店を閉めるとある。最近お店の閉店に直面して寂しい気持ちになることが少なくないので、ここもかぁと思ったら、こちらは建替えなった同地で再びオープンする予定なのだそう。独特の雰囲気は損なわれてしまうかもしれないけど、それは、ま、仕方のないことだよね。 「ローゼ」 中央区築地7-2-9 03-3543-5829
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