手打ち十割江戸蕎麦処「遊山」で 王禄で真蛸の子十割せいろ

yusan.jpgずっと気になりつつお邪魔する機会の得られなかった「遊山」へ。 落とされた照明の店内へと暖簾を払うや否や、煙草を喫むかどうかを訊かれます。 吸わない、と告げると、どうぞとカウンター左手奥へと案内されました。分煙に配慮しているのでしょう。 カウンターのみのお店では至極当然のことのようにも思いますが、なかなかそうもできないお店も多いものね。
まず麦酒。 それぞれ気を惹くお品書きに迷いつつ、ひとまず「真蛸の子 含め煮」「根三葉のあげ包み焼き」をお願いしました。 yusan02.jpgyusan03.jpg 団子状の肌理の細かい海綿のような煮物の上に針生姜が載せられてきた。はは~、これが真蛸の子?。鱈子よりもずっと細かいつぶの固まりが出汁に煮含まれていて、上品な珍味という感じ。焼き立てのあげ包みを噛むと鰹節の旨味と根三つ葉のしゃっきり感と香りが、あげの香ばしさと相俟って、イケる。 酒は、島根の純米生原酒だという「王禄」を。 お隣の注文に感化されて、「活〆穴子の白焼き一本」もお願いしてしまう。yusan04.jpg周囲の焼き目の香ばしさと身のほっこりが強めの塩に引き出されるようで、これもいい。 〆に「十割そば せいろ」。yusan05.jpgこしがあって艶やか。辛口濃い口のつゆが多い中、さらりとしながら出汁の利いたつゆが絶妙で、一気に手繰ってしまう。”酒によし、酒肴めでたく、〆の酔いそば”。 ただ蕎麦屋と云うには言葉が足りず、粋な酒の肴と〆のそばが旨い料理屋、と云う方が当たっていそうだ。
「遊山」 目黒区鷹番2-19-3 03-3715-0461
column/01596