旨い鮨喰いたいなぁと出掛けた尾山台商店街。
目指すは、鮨「徳助」。
以前行った中華「華門」下階の半地下にあって、
硝子越しにカウンターが俯瞰できます。
その飴色のカウンター中央に陣取って迎えてくれたのが、大将の徳さん。
柔和な面構えの中に鋭い眼光を備えています。
ビール小瓶をいただいて、おまかせで。
鯛、鯖、赤貝のお造りに続いての、あん肝が旨い。
酸味の柔らかい酢みそが載せてあって、あん肝との相性に感心頻り。
早速お酒を温るでお願いして、柿と春菊の白和えをアテにちびちびする。
「徳助」の燗酒は、高知の司牡丹。
お隣に大将とは旧知の客が入って、そちらとの会話を横耳していると、
大将の受け答えが洒脱なのに気がつきます。
さて握ってもらいましょうか。
まず、小鰭。
差し入れた包丁のスリットがキレの良さを表現しているかのよう。
〆具合もバランスよく、すんなりしみじみ味わえて、旨い。
この白身は?と訊けば、応えはカサゴ。
煮きりの具合もよろしく、カサゴの身の甘さを引き出してくれている。
その煮きりが、細かく入れた墨烏賊の包丁のラインに滲むように入り込んで、これまた烏賊の甘さを引き立てる。
青葱を頂く鰺。
鰺ってこんなに身の味が濃かったっけ?的な芳醇さ。
銀にきらきらとしているのは、鰯。
あぁ、旨い。
徳さんは、
使った鉄箸を水を張った桶の底に向けて突き刺すようにトンと投げ入れる。
続いて春子。
おぼろを咬ませてある。
うんうん。
さっと煮きりを塗ったメジマグロがこれまた旨い。
さらっとした脂が清々しく蕩けてゆきます。
手の動きの素早い徳さんの華麗な手捌きは、サヨリへ縦に入れる包丁でもみられる。
おおぉ。
タネに細かくスリットを入れるのは、徳さんの鮨の一番の特徴。
そして、小振りで固めのシャリがいい。
お次は、ギザギザした切り口の鮑。
意外なほど柔らかく煮上げてあって、ツメとの相性も抜群な仕立て。
雲丹に続いて、穴子。
思わず、「大将の握り、カッコイイっスね~」と云ってしまう。
稜線を円くしないで、角Rというか、断面が四角いイメージになるにぎりなんだ。
お造りにあった鯖をにぎってもらう。
鯖の旨味が浅〆で凝縮活性していて、なはは、これがまた旨ひ。
最後に干瓢を巻いて貰い、あがりを啜る。
なんだかお腹も気持ちも満たされる、そんなひとときでありました。
また行きますね、徳さん。
「徳助」
世田谷区尾山台3-10-10 OSビルB1
[Map] 03-3701-2383
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