鶏料理「庭つ鶏」で 洗練鶏料理の行方を想う
旗の台の「鳥樹」で豪快で直球な鶏酒肴を堪能してから暫らく。蒲田「鳥樹」での修行を経て、晴れて五反田に店を開いたのだという「庭つ鶏」にやってきました。以前何度か予約の連絡を入れたことはあったものの、直前では予約も叶わないと知り、今回は余裕をもっての予約でありました。予約なしで訪れた客たちが満席を丁重に伝えられている様子は、「必予約」のお店であることを改めて認めさせるものです。板場が覗き窓(?)から覗けるテーブル席へ。おまかせでお願いします。口開きにやってきたのが胸肉の「とりさしみ」。自家解体のできる「鳥獣処理免許」「鳥獣処理場」の免許を持つがゆえの「庭つ鶏」のプロローグ。うんうん。続く「ももさしみ」は、さらっとした旨味の胸肉との比較も愉しい、濃縮した滋味。鮪の中落ちみたいだ。黒スタウトを「下町ハイボール」に替えて、「とり皮の塩煮込み」。素朴だけれど、鳥皮のくにゅんとした魅力が直裁に伝わってくる。「皮ときゅうりの酢の物」「庭つ鶏サラダ」を挟んで、「ささみ柚子胡椒付き」「ささみわさびマヨネーズ」がやってきた。山葵風味のマヨネーズでシズルに味わうささみ。そして、レアレアな断面を魅せるささみを柚子胡椒ちょんづけで味わう。できれば先日の「やまもと」の柚子胡椒でも味わってみたい。黒糖のメジャー処「れんと」を啜りつつ、追加でお願いした「鶏レバのテリーヌ」を。こんな軽快で繊細なパテには、出来合いのリッツじゃなくて、薄焼きのクラッカーを添えてほしいところではある。同じく追加で注文んだ「レバーさしみ」の空前の色合いに感心。鮮度感炸裂。「早く食べてね」と急かす気持ちもよく分かる。おまかせの流れに戻って、「レバ焼」「砂ギモ焼」。たっぷりとしたこの姿で砂肝の焼きモノを拝むのは初めてかもしれないぞ。むぎゅっとした歯触りも楽しいのだ。クライマックスは、「ももたたき」。パリパリと香ばしい皮目とレア気味の身肉、そして特製なタレの合わせ技。思わず「うめぇなぁ」と口走っているのに気がついた。〆のスープを啜りながら、ここ「庭つ鶏」を想う。「鳥樹」を洗練させた構えでありながら、スタンスは変わらない一線上にあるのがいい。さらに“自家解体のお店”由来のプレゼンテーションがあってもいいかもとふと思うけど、創作に走って妙な方向へ行っては欲しくないところ。酒呑みの気持ちを満たす居酒屋の心意気を忘れない、そんな鶏料理専門店へと昇華していってくれたら
なんと!幻の砂肝の焼き物のフォトではありませんか!!
これは、非常に繊細かつ豪快な一品ですよね。10個はいけます。
ささみわさびマヨとレバー焼きが宿題として残っておりますが、予約を考えるとしばらく割きになりそうです…
Re;takapuさま
あの姿の砂肝はなかなか見れないよね~。歯触りもいちランク上のような気がするもの。
定期的に訪れて、深みに嵌りたいものです(笑)。