column/01923
中華「三原」
ふと思い付いて、嘗て(と云ってもかなり昔)通った札幌ラーメン「時計台」の小路のその手前にある「三原」に寄ってみました。数人の客がいる程度だろうとぼんやり考えながらアクリルの赤いサインの下を過ぎると、然に非ず。右手のカウンターも左手のテーブルも満席だ。どうなっているのかと一瞬戸惑ってしまったりする。ちょうど食べ終えた先客と入れ替わってカウンターの真ん中に収まりました。「タンメン」をと厨房の大将に声をかけ、改めて品書きを見る。安いね~。銀座ど真ん中の三原橋で「タンメン」が630円。「ラーメン」なんか430円だぞ。で、その「タンメン」が届く。幾分醤油も使った様子の茶濁のスープ。へー。ジャンクな感じではあるけれど、野菜の甘さも手伝ってなかなかどうして悪くない。ここで無化調かどうかを気にするのもナンセンスだもんね。少々野卑な客に急かされたって、丁寧にそしてゆったりと愛想よく接客するオバチャンの存在もこの店の魅力のひとつ。カウンターのメラミンも削れ、店全体を包む積年の風合いがいい味になっている。「三原」ファンは想像以上に多いのかもしれません。
「三原」 中央区銀座5-9-5 03-3571-4359