column/01786
千住で2番「大はし」で 牛にこみ肉どうふと亀甲宮梅シロップ
以前、4時過ぎから開店を待って店前に佇むオヤジを認めたことがある。
そうまでして寄りたい店なんだなぁと。
場所は、「バードコート」のちょい先斜め前。
恐る恐るドアを引くと、店内は既にほぼ満席状態だ。
隙間の席を割り込むようにして確保。
ビールと告げ乍ら座り、正面の壁で目に留まった「かきバター焼き」もとお願いします。
手元のコンロで焼き炒めるスタイルのかきバター焼き。はふはふと牡蠣の汁とバターの風味と。
やっと周囲を見回す余裕(?)がでてきて、ふと我に返った。
そうだそうだ、「牛にこみ」「肉どうふ」を真っ先にいただくんだった。「大はし」の「牛にこみ」は、ホルモン系のドロンとした煮込みではなくて、牛スジやらカシラやらを極端に云えばあっさりと煮込んだひと皿だ。
豆腐は煮崩れる寸前のふるふるモノだね。
しょーちゅーしょっとでちょうだい、と云うと米焼酎「亀甲宮」がグラスから溢れます。
梅シロップ、入れときましょう。
壁に貼られた50種ほどの酒肴の札を右へ左へ巡らせる。
ありそでなさそな「勘八南蛮漬」、お手頃サイズの自家製「貝柱さつま揚げ」「あんこう肝ポンズ」あたりで、再三グラスをお代わりする。これだったらボトルでも良かったかも(笑)。
お品書きには、盛り合わせから「初がつおさしみ」、「しめさば」までと、お魚のバリエーションも少なくない。
一方、お隣のピン客さんが、「とんかつ」食べてみてよ~、と声をかけてくる。
そう、筆頭ともいうべき位置に貼られた札には、「とんかつ」と書かれている。
「え、美味しかったんですか?」と訊くと、「いやいや、どーかなーと思って、はははっ」。
「かにコロッケ」や「串かつ」には違和感がなくても、「とんかつ」には確かに微妙な差異を感じていたけれど、オジサン自分で注文んでよ~(笑)。
およそ短時間でぐるぐると入れ替わり立ち代りにほろ酔いオヤジができあがっていく様は、
なんだか楽しいぞ。
千住で2番「大はし」。3年ほど前に建て替えたという店内は、どちらかと云えば素っ気無く、
小奇麗とも云えてしまいそうだ。
そう考えると、大衆居酒屋然としたであろう、建て替え前にも一度お邪魔したかったな。
「大はし」 足立区千住3-46 03-3881-6050 [Map]