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「大和寿司」「寿司大」などの人気店と照らして、行列や空席待ちとはほぼ無縁と思しき「寿司 龍」にお邪魔してみました。昼間っからスナックの姐さん風女性連れオヤジやら常連風サラリーマン達で、カウンターの7割方が埋まっています。入口側はグループ客に空けておきたいのか、カウンター中央の隙間のような一脚に案内されました。「菊」「蘭」とある盛り合わせの「蘭」の方を。細かい網目状にサシの入った中トロに墨烏賊
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、そろそろ仕舞いか、の鰤、そして赤貝
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と続きます。目に鮮やかな朱色に艶を見せるのは車海老
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。添えられた頭からチューチューと味噌を啜ってから、にぎりを口に含むと嬉しい身の甘さが余韻として残ります。細魚、巻物
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の後に穴子がきた。皮目を上にして、薄っすらとした煮ツメが塗ってある。限りなくふんわりと柔らかい仕立ての穴子
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だ。煮浸した穴子に濃密な煮ツメを組合わせたタイプのそれとは違って、これはこれで悪くない。ガラスケースで目に留まった「しらうお」
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を追加する。春の訪れを思わせる、清々しくもほんのりとした甘さがいいね 。そういえば、「しらうお」と「しろうお」って、全く別の魚だと実は知らなかった。しらうお(白魚)は、サケ目シラウオ科に属する成魚8~10cm、しろうお(素魚)は、スズキ目ハゼ科に属する成魚3~6cm。どちらも似たような半透明な姿で、旬もほぼ同時期らしい。地方によってまた呼び名が違うというのがまたややこしいや。…で「寿司 龍」。どうしても「大和寿司」と比較してしまって、同じような金額を払うなら、と考えてしまう。適度に空いてていいけどね。
「寿司 龍」 中央区築地5-2-1中央卸売市場内1号館 03-3541-9517
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お店が供する馳走に籠めた創意工夫、店の名の由来やそのデザインを「意匠」と捉えて探訪を続けています。