いつもの、武蔵小山「Again」での村田ライブのあと。
勝手知ったる飲み屋街の路地を抜けて、東急ストアの脇を辿る。
目指すのは、昼下がりにも足を向けたとんかつ「さんきち」だ。
正午をとっくに過ぎているというのに、空席待ちする数人の人影に驚いて思わずスルーして、夜に再びやってきたという訳なのです。
入口の前に昼間のような空席待ちの姿のないことに安堵して扉を引き開けると、なんと店内におふたりが、席が空くのを待っている。
どうやら昼夜通じての人気のようです。
タイミングがよかったのか、ほとんど待たずにカウンターの隅へ。
改めて見上げる黒板にびっしりと書き込まれたチョークの品書きやそこここに貼り込まれたメニューにきょろきょろする。
コロッケあれこれにニンニクステーキやハンバーグ、とんかつは勿論のこと、マグロかつやイカ丸生姜焼きにミートソーススパゲティ、エビフライ丼に鯵カレーなどなどなど。
きっと普段であれば、迷うこと必至なのだけど、明快なお目当てがあれば気持ちがふらつくことはありません。
お兄さんにこう告げましょう、「カキフライを大盛りセットで」。
「さんきち」の「生カキフライ」の定食セットは、小盛りに普通盛り、そして大盛りがあって、それってご飯の盛り具合でしょ?と思うところ然にあらず。
カキフライの盛りに3種類があるのです。
嗚呼、その大盛りがやってきました。
それは、素っ気なくも圧巻な盛り付け。
まさにごろごろごろと、中振りのカキフライが寄り添うように。
一体幾つ載っているのか、ついつい数えたくなってきます。
どうやらこの日この時の「大盛り」は、小さいのも含め都合14個のカキフライとなっています。
檸檬を勢いよく搾りかけ、早速いただきます。
箸に載せたその身が意外と軽いのは、火を入れたことによる縮みが少々多い牡蠣だからか。
そしてそれがそのまんま軽い食べ口の牡蠣フライにさせているようです。
ポスターをみるに、ここ「さんきち」では、石川は能登半島産の牡蠣を使っているらしいね。
脇に添えた牡蠣殻にはちょっと弛めのタルタルにオーロラちっくなソースと練り芥子。
カキフライには、檸檬のみかタルタルか、はたまた醤油をちょっと垂らすか。
芥子やソースは似合わない、というのが持論ゆえ、芥子やソースを使わずにちょっとずつ味わいを変えながら、自分でもびっくりするほどあっと云う間に食べ切っちゃった(笑)。
“あー、カキフライ、喰ったなぁー”というこの量的満足は、
案外他所では味わえないものでしょう。
武蔵小山で人気のとんかつと洋食の店「さんきち」。
いつも混んでいそうなのが心配だけど、武蔵小山でガッツリめしを喰いたくなったら真っ先に思い浮かべる店になりました。
「カキフライ、エビフライ、ホタテ貝柱フライの3品盛りセット」なんてのもあるよ(笑)。
「さんきち」
品川区小山3-12-10
[Map] 03-3787-0124
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