とある週末の花見小路。
少々ヘソ曲がりゆえ、如何にも観光客御用達な花見小路は極力避けるようにして、裏手へと路地へと入り込もうとするので、花見小路通り沿いのお店にはほとんど入ったことがありませんでした。
この日もちょうど、徘徊した路地から通りへと出てきたところ。
何気なく角に建つ御茶屋風の建物の店先を眺めると、品書きに「パフェー」の文字を発見。
表札が示す店の名は、「花彩」だ。
一体全体、洛中には幾種類の「抹茶パフェ」があるのかなぁなどと考えつつ、そのまま開け放してある戸口を入る。
右手の硝子戸越しに覗くとそこは、パフェーを供しているようなお店というよりは、すっかり京都チックな和小物雑貨のお店の雰囲気。
あれ?間違っちゃったかな?と引き返そうとするところへ、「はい、おこしやす」と硝子戸を開けてくれる。
「パフェ、いただけます?」「はいはい、お上がりください」。
どうやら、和小物のお店に甘味処を併設している、ということのようです。
畳みの上を奥へと案内されて、坪庭の手前のテーブルに腰を下ろす。
眺める箪笥の前には、京の小物たちが並べられています。
季節モノの「桜パフェー」なんてのもあるものの、
気分はすっかり「抹茶パフェー」。
ほとんど間を置かずして受け取ったのは、四角くて浅めの小皿。
うーむ、これを「パフェ」と呼んでいいのかどうかと腕を組む。
いや、ま、いっか(笑)。
すでにちょっと傾いているあたりが微笑ましいじゃんと思いながら、如何にもの抹茶色アイスに手を伸ばします。
どこぞの出来合いか、もしやお手製かどうか訊き損なってしまったけど、
抹茶の風味が活き活きとして、なかなかに旨いアイスだ。
またまた小豆との抜群の相性の良さを体感してから、 その下に敷かれた抹茶の寒天にスプーンを挿し込みます。
アイスよりも苦みの強さが大人な感じもこれまた小豆と仲良しであること疑いなし。
ああ、あっという間に食べちゃった(笑)。
ちょうど食べ終えたところで、手前に座っていた大学生風男三人組みのひとりが、たまたま居合わせた女将さんに、まるで「パフェー」でも注文するかのようにお気軽にこう訊いた。
「舞子さんとかって、呼べるンですか?」。
金額を聞いて、一瞬フリーズしてから、「高っけぇー!」とハモる三人。
それでも、「じゃぁ、稼いでから予約すればいいんですね」と云うあたり、可愛らしいじゃないですか。
オジサンはとても真似できません(笑)。
築100年を越えるであろうという元お茶屋をそのまま使った、
甘味処&和小物の店「花彩」。
元芸妓さんの女将さんが1999年に開業したンだそう。
閉鎖的で敷居の高いと思われがちな花街・祇園の風情に気軽に触れてみて欲しいとする女将さんの意図は、先の学生の挙動で十分に果たされていることが分かるね。
「花彩」
京都市東山区祇園花見小路四条下ル三筋目西角
[Map] 075-532-0088
http://www.gion-kasai.jp/