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特級煮干そば「凪」西新宿店で 特級煮干と動物出汁巧みな融合
新宿ゴールデン街の小さな小さな筐体で、
煮干しラーメンのひとつの基準軸を提供してくれている中華そば「凪」。
その「凪」が同じ新宿にもう一店、それも煮干しラーメンのお店を出したというので、それはもう行かなくちゃ(笑)と、突撃する機会を窺っていました。ところは、「武蔵」が行列を作って以来、ラーメン激戦地のひとつと数えられるようになった小滝橋通りから常圓寺の裏手へと外れた静かな裏通り。
瑠璃色をベースに銀の文字がスポットライトに浮かび上がる。「中華そば」「特級煮干」「自家製麺」。
そして中央には亀甲で囲んだ「煮」の文字。
なにか、揺るぎない気概が伝わるようです。
そしてドア横の室外機の前にはどどどと積まれた段ボール箱。そのどれもが煮干しの箱のようで、ざっと見る限りでも愛媛・三島漁協のもの、鳥取・境港からのもの、房総・いづみ市からのものがある。
これもディスプレイのひとつだったりして(笑)。
そして、白い暖簾の柄をよく見ると「煮干」のふた文字をコラージュしていて、思わず微笑む。
頭上の青い看板もこの「煮干」が並ぶ暖簾もどちらも青木さんのデザインなんだね。
意外だったのは、カウンターの中にいるのがふたりとも女性だったこと。
煮干しで攻めるラーメンはなにも男ばかりが供するもんでもないのにね。
カウンターの立ち上がりに、「食器上げていただくと心温まるんだなぁ はるこ」と相田みつを調で書かれているところをみると、このはるこさんが女将なのでしょう。
メニューは、「特級煮干そば」に「肉そば」「もりそば」。
「もりそば」の上に「売り切れ」の札が貼られています。
札が「特級煮干そば」の上にないことに安堵して、注文の声を掛けました。
昆布漬けの「味玉」もお願いしましょう。
「お待たせしましたー」。またまた意外だったのは、ラーメンどんぶりに蓋がしてあること。
ははーん、煮干しの香りの衝撃を愉しんでねってな工夫とお見受けしました。
蓋の脇から早よ開けなはれと急かすようにスープが溢れ出て、そこからも煮干しの香りが漂い始めてる。
パカっ。
蓋を翻すと、鼻腔から脳裏へと抜けていく煮干しのにほい。それがやがて全身を包んでくるような気分になって、高揚してくる。
早速、レンゲをスープを浸す。
スープ表面にたっぷりと浮かんだ煮干しの粒子がレンゲに集まってくる。
掬ったスープを恭しく、ひと口。
ぬおおおお。これはスゴい!
濃縮したかのような煮干し出汁の厚みある旨味と動物系のフルボディなエキスが高次元で仲良く結実している。
うひゃ~と思いながら(笑)、細目の麺を啜るとそれは、シャキサクと軽快な歯応えの中から粉の風味を芬々とさせるストレート。煮干し×脂動物系の強力特濃スープをすんなり受け止めて、自らも主張する。
自家製麺の自負と自信が窺えます。
改めて云おう、こりゃスゲぇ!
もしかしたら東京随一の煮干しラーメン店と呼んでしまっていいのではないかとも思う、
「凪」西新宿店。ストイックな印象の王子「伊藤」のドンブリに、巧みに動物系の厚みを融合した感じといえば伝わるでしょうか。
「凪」西新宿店 新宿区西新宿7-13-7 [Map] 03-3365-0296
まさぴ。さま。
この間口にこの大きな重量感のある看板は自信のほどをうかがえるようでカッコイイです。
最後にくる、まさぴ。さまの「ホッとして振り返り風」なお店の入り口(出口)の写真がいつも素敵です。
おっとっ、ラーメンでした。
>高次元で仲良く結実
なるほど。。。。。。ぶつかって不自然にならないようにするにはきっと大変なのでしょうね。
ますます気になるぅ〜。
Re:ららさま
なはは、ホッとして振り返り風、ね、なるほど、そうだね(笑)。
確かに脂は強くなってるけど、煮干しと動物系の旨味のカケ合わせに感心頻りです。
これまた気になる、でしょでしょ♪