港側から坂を上がり、繁華街の通りを辿って行き着いたお店は、葉の緑が入口を覆い被さるようにしている。
開け放たれたドアから中を覗くと、店内は既に賑やか。
席はあるかと窺うような視線を送ると、運良く「どうぞ」となった。
ただし、1時間半シバリだという。
どんだけ人気やねん(笑)。
奥の座敷の一角に陣取って、まずオリオンをプハとする。
「島らっきょう天ぷら」は、衣のパリパリと島らっきょの酸味香気が不思議な魅力。
「アーサ天ぷら」は、シャクシャクとした歯応えとアオサ海苔の爽やかな磯風味がいい。
どちらも、パウダー状の「雪塩」チョンづけでやっつけます。
定番な「ラフテ」や「麩チャンプルー」をいただいて、お腹もひと息ついたところで、泡盛に切り変える。
宮古でメジャーな「多良川」のお安いヤツ(笑)。
泡盛1:水2の割合で割る呑み方が一般的だよという推奨に従って。
ンギャナってなんだけと考えながらお願いしたのが「魚とンギャナの酢味噌和え」。
想定外に大きな器を受け取ってやっと気がついたのは、「ンギャナ」とは苦菜のこと。
バキバキと厚みに主張のある葉に確かな苦味があって、それがなんだか体によさそう。
刺身と合うかと訊かれると、そのあたりはちょっと微妙ではあるけどね。
最後に汁物を啜ろうと選んだのが、「アバサ汁」。アバサとは、ハリセンボンのこと。
水中では、ぬぼーっとした愛嬌をみせてくれているけど、それを喰っちゃうかぁ(笑)。
さすがフグ目の魚だけあって(?)、あっさりとしたフグの身を口にしているような感じで、骨やスジから歯の先で刮げるようにして、しゃぶり食べる。
適当に食べると食べでがなくて、しつこくしゃぶると結構食べれる、とそんなことみたい。
そして、出汁にしみじみ。
小学生かと思われる女の子までが健気に手伝う、まさに家族経営の「おふくろ亭」。市民球場でキャンプを張るオリックスの選手のサイン色紙も並ぶ。
キャンプに合流したマリナーズ・イチローも訪れていたりして。いや、それはないか(笑)。
「おふくろ亭」 宮古島市平良西里587-4 [Map] 0980-72-0744
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