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甘味「あらい」で 和風パフェ大納言に宇治抹茶グラスの中の物語
池上本門寺にお詣りをした帰り道。
回り道をして思わず出会った「蓮月庵」で、お蕎麦にゆるゆるとした後に。
味ある佇まいを振り返り眺めていて気がつけば、
一軒の甘味処の前に立っていました。
アレがあれば寄ってみたりもするのだけどなぁと品書きを斜めに読むと、あったありました。
そう、今日は池上本門寺で「パフェラッチ!」です。そのまま小料理屋さんでもできそうな雰囲気は、
もしや和食のお店からの居抜きではと思わせるくらい。
でも、店頭にある小売り用の小窓がそれを否定しています。
ご注文は、「和風パフェ」。
トップの真ん中に抹茶アイスが鎮座。
その廻りを黄桃に栗、そして紅葉にカットにした林檎がのっています。
フルーツを慎重にグラスから外しては平らげて、抹茶アイスを崩しながらその下の粒あんと一緒にスプーンで掬い舐める。
甘さをぐっと控えた抹茶風味とこれまた小豆の風味を引き出すことに主眼を置いたかのような粒あんのほの甘さが渾然となる、そのささやかな耽美。
生来の”粒あん派”に、「やっぱ、つぶあん(はぁと)」と思わせる瞬間があったりする(笑)。
と、その下では、抹茶の寒天と玄米フレークが食感の変化をつけて中継ぎ。
そして、バニラアイスへとバトンタッチ。再び冷たいアイスの舌触りをぺろんと愉しむ。
もう終わりかぁと思ったら、最後のところで寒天と黒蜜、漉しあんが顔をだした。
うーむ、結びはあんみつエッセンスであったか。
グラスの中に物語があるのはなにもバーばかりではないのだなと思ってみたりする(なんちゃって)。
池上本門寺お膝元の甘味処「あらい」。Webサイトには、粒あんの小豆に「とよみ大納言」、宇治の抹茶、八重山の本黒糖、岐阜山岡町の寒天、などなど素材を厳選吟味し、そして手作りにこだわっています、とある。
うん、なるほど、この鮮明な風味たちは、そのこだわりが運んでくれたものなのですね。
以前は見向きもしなかった甘味処にもだんだん抵抗がなくなってまいりました。
酒も呑むけどあんこも喰らう、とね(笑)。
口関連記事:そば「蓮月庵」で かも南ばん昭和初頭の情緒お詣りの定番処(09年01月)
「あらい」 大田区池上1-35-24 [Map] 03-5875-7273 http://www.kanmiarai.net/