開くお品書きには、呑兵衛ごころを擽るフレーズが目白押し。 どれにするのか決めなさい、というのが酷なことにも思えてくる(笑)。口湿しの麦酒を片手に、悩むテーブルの四人。 と、そこへお通しが届きました。おお、雛寿司、だね。 これを最初にもってくるというのはちょっとニクイのではないかいね。 まずは、聞き慣れない”昆布森”という産地名にも惹かれた「北海道昆布森 生かき」、そして「カキフライ」で「カキタベ!」モードから入ってみる。 「すいません、昆布森、切れちゃいました~」にややずっこけるも、三陸の生かきとカキフライをいただくことに。 如何にも鮑がゴロゴロいそうな海を連想させる銘柄名”昆布森”だけど、どうやらご存知「仙鳳趾」産のものみたいだね。 日本酒をどこからいこうかと思案して、愉しげな、そして店名にも繋がる「和和和」を選んでみました。 表面張力いっぱいまでを一気にすっと注ぐ所作をじっと見詰めて、ニッコリ。 長野の特別純米で、酒米に「ひとごこち」を使っているという。 フルーティな柔らかさ中に心地いい厚みがあって、さっとキレる呑み口がいい。 ありそでなさそな「白金豚つくね焼き」は、 加減よく焦がした周囲の香ばしさと澄んだ脂の競演が噛むごとに。 そこへ、もっと呑みなよ(?)と、刺し盛りの角皿のご到着。12時方向から時計廻りに、銚子の「黒むつ」、氷見の「メジマグロ」、常磐の「サワラ」、銚子の「金目鯛」、横須賀の「かます昆布〆」、三陸の「〆さば」。 真ん中の白身が左「平目」に右に対馬の「天然真鯛」。 皮目を炙った黒むつの蕩ける濃いぃ味わいにも唸るけど、真鯛の歯応えの間から零れる品のある脂の余韻もいい。金目の甘さも負けていないと思えば、ぐっと旨味を凝縮した昆布〆かます。 お、お酒、クダサイ~(笑)。 奮発して、「十四代」純米吟醸、愛山中取り。 とっちらからずに華やぎと奥行きを増した、そんな印象の滴たちであります。そんなお酒に合わない訳のない「自家製塩辛」、「スルメイカ肝あえ焼き しょっつる風」。肝で和えてしまうことのズルさったらないよねー。 肝あえ焼きをぺろんと食べてしまったところへとご飯を投入して、まぜまぜ。 残ったしょっつる風のタレですっかりコーティングした、これがご馳走。 なはは、だからそれはズルいってばー(笑)。 ニクくてズルい酒肴とお酒で心地いいほろ酔いに誘う酒亭「和(なごみ)」。これから迎える冬本番。燗づけの手腕もニクいです。 「和」 渋谷区恵比寿南2-1-2 丸山酒店2F [Map] 03-5722-6544
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