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ビヤガーデン「国境」で ふつふつと味蕾をひらくヤシガニそば
与那国での2日目を過ごした夕食後、スタッフから声を掛けられました。
「台風が近づいているのですよ~」。
PCの画面をみると、熱低が台風になって真っ直ぐ八重山方面に向かっている。あちゃ~。
翌日の朝には、あれだけ凪いでいた海に白波が立ち始め、怪しい風が吹き始めている。
残念ながら急遽与那国を離れる決断をしなければいけません。
臨時で折り返していくフェリーに乗ることにして、その夜に予約をお願いしていた「国境」でランチをいただくことにしました。
全島で2台のみ、というタクシーで祖納集落まで。
酒屋さんのビル裏手からエレベーターで3階へ。どうやら島唯一のエレベーターらしい(笑)。
居酒屋的雰囲気の左手がゆったりした座敷になっていて、壁や天井一面には色紙が沢山貼られてる。
随分芸能人も訪れているのねんとよくみると、芸能人のそれは少なくて、海上保安庁をはじめ、官庁省庁の関係者の肩書きがずらっと並ぶ、ちょっと不思議な光景だ。
「国境」では、ヤシガニ料理を予約していたのだけれど、それは夜のもの。
ランチメニューには、「ごーやーチャンプルー定食」「ポークたまご定食」「味噌汁定食」「いか墨汁定食」に「タコライス」といった定食類とそば類が並んでる。
あったあった、その中に「ヤシガニそば」をみつけました。
そばの上に鮮やかなピンク色をしたヤシガニのツメが2片のっている。
その身をホジホジして、再びドンブリの中央にトッピング。ではいざ(笑)、と箸の先を麺の間へと進めます。
身肉の素朴ながらしみじみとした旨味に啜る汁もこれまたしみじみ~とした魅力。
ヤシガニの殻から出る出汁にカニミソを溶き込んでスープに整えている、らしい。
ガンと強い風味ではなくて、じっと目を閉じるとふつふつと味蕾を開いてくれるような、
そんな感じがいい。
意外だったのは、麺。
八重山そば系のものかと思ったら、沖縄本島系っぽいやや平打ちの麺で、例のぽそぽそ食感を含んでる。きっと島内に製麺所を持たない、そんなことが影響しているのかもしれないね。
「国境」と書いて“はて”と読む、ビヤガーデン「国境」。
夜の予約をキャンセルしなきゃいけないのがなんとも残念で、ヤシガニ料理以外にも、カジキマグロのハラグロ「刺身はて」や目玉のスープ「ひとみちゃん」、「長命草蕎麦」などなど気になるメニューが待っている。
最果ての地与那国にまた来なくっちゃ(笑)。
「国境(はて)」 八重山郡与那国町字与那国22-4 09808-7-3255