八坂の塔から登り辿って、
産寧坂を臨むところで左手に分かれるように二年坂の階段を下るとすぐに見つかる看板があります。
洋食の店「みしな」。
その路地を覗き込むと、雨に濡れた敷石の先に再び目印が、すっとある。
ちょうど正午を過ぎた頃。
お邪魔してみなくっちゃ。自ずとそんな気分になるのです。窺うように引いた戸の奥のカウンターは既に先客で埋まりかけている。
女将さんが、笑顔で迎えてくれました。
「みしな」のランチメニューは、「カニクリームコロッケとエビフライの盛り合わせ」「ヒレ肉一口カツレツ」に「ビーフシチュー」。それぞれに「お茶漬け付き」と書かれていて、「アスパラポタージュ」か「冷コンソメスープ」を添えた「定食」にもできる。
「黒毛和牛ヒレ肉照焼」「タンシチュー」ともなれば、さらにお値段アッパーだ。
「ビーフシチュー」をお願いしました。
「熱いのでお気をつけくださいね」。 ふつふつと沸いて、 みるからに熱々の土鍋が湯気と一緒にやってきました。
じっくりとそして如何にも丁寧に仕込んだ表情のドミグラス。
繊細さをも思う味わいの襞が、折り重なるように舌の上をそよいでいく。
その一方で、しつこさとは違う力強さを食べ口の根っこに湛えていて、しみじみ。
思わず、うへへ、でありまする。
もう一回お茶碗をお代わりして、じゃこと芽カブの佃煮でお茶漬けしちゃう。
“旦那”通いが似合う洋食「みしな」。夜は、予約のみの営業のようです。「みしな」 京都市東山区二年坂畔 075-551-5561
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