駒込の街角にすすっと馴染む、
寿司の暖簾に闖入してみました。
創業来35年以上に及ぶというお店も、
その佇まいに気負いはありません。
浅草にも「常寿司」があるようで、そちらとの関係はあるやなしや。
L字のカウンターに10席ほどと奥に小上がりが一室。
左手コーナーを利用した数席のテーブル席もカウンターへ正体するようになっています。
硝子ケースに見つけた穴子を所望すると、まず目に飛び込んでくるのがたっぷりの煮こごりだ。
さらっとしたタレ味に穴子の旨味が蕩けていく。
寒鰤、中トロ、帆立、鯛、平目、やり烏賊などなどの刺し盛りや半生に焼いてもらった牡蠣で、
お湯割りにした麦焼酎。
ほろっと酔ったところで、握ってもらいます。
〆めたものからと小肌に鯖、そして大胆厚切りでしゃりの見えないトロ。
決して精緻で洗練な握りっぷりではなくて、どっちかというと、勢いで握る心意気、といった感じだけど、それがなんだか微笑ましい。
青柳に続いてやってきたのは、厚い短冊のトロを豪快に海苔に巻いたもの。
なはは、たーんと食べちゃてよー、って話しかけているようで、
この際シャリがどうとか、巻き方の是非をうだうだ考えずに、大口開けて喰らいつけばよろし。
飄々とした大将と、スキンヘッドが潔いその息子が切り盛りする「駒込 常寿司」は、いつの間にか空席がなくなって、熱気を帯びていた。
ちょっと連絡しておかないと、満員で入れないことも少なくないそうだ。
今度お邪魔する機会があったら、大将の修行先や店名「常寿司」の所以についても訊いてみよう。
「駒込 常寿司」 東京都北区中里1-8-5 03-3827-9323
http://www.k5.dion.ne.jp/~tunesusi/
column/02488