洋食「キッチン パンチ」で目玉焼きのっけにナポリタン生姜焼きに牡蠣フライ

punchいつから共用が始まったのかなと思いつつ、中目黒駅の南改札口を出る。
GTタワーの敷地を斜めに横切るように抜けると小さな祠の脇に出る。
目黒銀座入口の端にひっそりとある小じんまりとした神社が、第六天社。
小さな境内にまだ細い桜の木がある。
高層ビルの谷間にこんなスペースを確保して祀っているんだねと思いつつ、その向かいの横道へと入り込みます。

入って右手へとさらにクランクするように忍び入ると、
両サイドに飲食店の灯りがいい具合に点ってる。punch01「草花木果」「いふう」に大阪串かつ「殿金」、
「なかめくん」「セイロンイン」に「コロッセオ」。
有名どころでは、ピッツェリア「聖林館」。
そして、そんな気になるお店が並ぶ裏道に、
昭和41年創業の洋食店があるのです。

店先にはお約束のショーケース。punch02例えば、白金北里商店街「ハチロー」や、
百反坂の食堂「さんご」のショーケースのように、
草臥れて褐色を帯びたサンプルが並ぶものでなく、
例えば、五反田の「さんばん」のそれのように、
生き生きとした発色が眼を惹きます。
まずは覗き込ませ、迷わせ誘う、
ショーケース本来の役割を十二分に果たしています。

ショーケースの脇の扉を入れば、
左手にカウンター、右手にテーブル席。punch03一番奥のテーブルを定位置にした、
創業者とも思しきオヤジさんが、
あれこれと愛想を送ってくれる。
時におひとりさまでもテーブル席を勧めてくれます。

ショーケースでも生まれた迷いは、
黄色地赤文字のメニューを手にしても、
治るどころか増すばかり(笑)。
まずは”看板メニュー”から
「ハンバーグ目玉焼き付き」をお願いしましょう。

追加アイテムあれこれから選ぶ、
“いろいろのっけメニュー”からポテトサラダを選んで、
添えてもらうのが定番になっている。punch04ロコモコならずとも目玉焼きひとつがこうも、
地味色になりがちなお皿を朗らかにしてくれるのですね。

ジャストサイズの目玉焼きの下を覗き込むようにして、
認めたハンバーグはなかなかに端正なフォルム。punch05punch06粗引きとしっとり挽肉とが交雑するハンバーグに、
目玉焼きの黄身のコクとデミソースの旨みが交錯する。
はい、美味しい。
ハンバーグはこれでよいのだ(笑)。

メニューには勿論「ナポリタンスパゲッティー」もある。punch07punch08ナポちんが2皿目までも食べているナポリタンは、
摩り下ろしたチーズが蕩けて網状になりかけているのが特徴で、
ハンバーガーのと同じデミソースの気配もする炒め口だ。

メニューには勿論「豚バラ肉の生姜焼き」もある。
punch10punch11じんじゃーちんスペサルプッシュ(*^_^*)な生姜焼きには、
その頂に薄っすらと七味の雪が降る。
縒れて寄り添う豚バラ肉にキリッとしたタレがよく似合います。

これもひとつの看板メニューらしいのが、
4~9月の期間限定「鳥レバーフライ」。punch09噛めばじわっと小粋なレバーの風味。
癖のない滋味の軽やかさに大感心。
春から夏にかけての人気のメニューであろうことに頷きます。

そして季節が秋へと移り変わると、
厨房の壁に掲げられた黒板にはこんな白墨の文字が躍る。punch12例年のことながら、
シーズン早々はまだ仕入れが不安定なこともある、牡蠣。
震災から復興の道を辿る三陸産の牡蠣を使うことが多いようです。

10月半ばの牡蠣フライは、期待通りのジャストサイズ。punch13punch14軽やかな揚げ口の衣の中から澄んだ滋味エキスの迸る。
出来ればもうちょっと玉子玉子したタルタルが好みなのだけど、
それも満足感を歪めるものではありません。

年が替わった冬の時季には、
「オムライス」を所望したりする。punch15punch16デミソースではなく、
お腹の真ん中にくっきりしたコントラスのケチャップ化粧。
やっぱり欲しいとカキフライをのっけしてもらうという、
そんな暴挙もどこ吹く風に受け止める、
玉子包みのチキンライスもいい塩梅であります。

目黒銀座界隈の裏道に、
昭和41年創業の洋食店「キッチン パンチ」がある。punch17マガジンハウスが発行していた男性向け週刊誌「平凡パンチ」が、
冬眠と称して休刊してしまったのが1988年(昭和63年)のこと。
なんとなく”パンチ”という言葉には、
昭和の時代の勢いと甘酸っぱさが含まれているような、
そんな気もするのです。

「キッチン パンチ」
目黒区上目黒2-7-10 [Map] 03-3712-1084

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「洋食「キッチン パンチ」で目玉焼きのっけにナポリタン生姜焼きに牡蠣フライ」への1件のフィードバック

  1. 「BISTRO et BAR「ANDRA」で 牡蠣と苺焦がしフォアグラサンド」の記事からこのページにたどり着きました。
    細かい点ですが、
    ×中目黒銀座
    ○目黒銀座
    です。

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