そんなルートも散歩コースのひとつとなっています。
そしてその道程で見つけたお店の一軒が、ガルバリウム鋼板の外観に紅いテントが映える、
ピッツェリア「VAN+P」であります。
店の外には、オリーブの木に並んで、
薪の束が積み上げられている。薪の塊が薪釜を構えていることを何気に知らせる、
そんな役割も果たしているようです。
ドアを引けば件の薪釜がすぐに目に飛び込んでくる。グレープフルーツジュースの細長いグラス越しに、
生地を伸ばし、具やチーズを盛り付け、
ピールに載せて釜の中へと置いて、薪の位置を整える。
そんな所作をぼんやりと眺めるのも愉しいひと時です。
まずはやっぱり「マルゲリータ」。ぷっくりしたコルニチョーネに焦げ色が浮かんでいい感じ。
粉の芳ばしさを含んだ乾いた旨味と、
トマトソースとチーズの旨味とが、
互いに変化しながら仲良く融合する、
釜の中での数十秒。生地の厚さの配置も絶妙に映ります。
地階への階段の上には、黒板が架けれている。どれにしようか迷わせてさらに、
Sサイズで我慢するか、Mサイズを奢るか迷わせます(笑)。
トマトソースによる”Rosso”カテゴリの「マルゲリータ」に対して、
“Bianca”と題した一群にも「マルゲリータ」がある。
「マルゲリータ ビアンカ」のランチもあっていいよね。
成る程、完熟トマトはソースとしてではなく、
刻んだ具として載せられている。モッツァレラの白がより主張するように、
いつもより多めに回しております感じ(笑)。
ビアンカでもイタリア国旗たるべく、
バジリコの緑は欠かせません。
味わいの軸は、水牛プーファラ。
うんうん、こんなマルゲリータもあっていい。
偶にはパスタもいただきたいと、
「しらすのシシリア風ぺペロンチーノ」。しっかり乳化したオイルに、
釜揚げのしらすとアンチョビの塩っけがよく馴染む。
刻んだ紫蘇の葉の青い香りも混ぜ込んで、
ピッツァばかりでなく、麺も旨いじゃないっすかと、
ぶんぶん頷いてしまいます(笑)。
階下は、間接照明に包んだ、
ちょっと可愛らしい設えのテーブル席。「MORETTI」のエンブレムも見つかります。
お店の名にある「VAN」の由来を訊ねたら、
入口ドア脇の棚にある模型を差し示された。店のスタート時には、VANに釜を積んで、
ピッツァの移動販売を行っていたのだそう。
「+P」の”P”は何かとさらに訊ねたら、
オーナーが単語を調べたところ、
琴線に触れる単語に”P”を頭文字とするものが多かったこともあって、
それらをひと纏めに表現するものとして添えたのだそう。
きっと勿論、VANでPIZZAの”P”も含んでいるのだろうね。
洗足池から南へ伸びる商店街沿いにPIZZA「VAN+P」がある。今度は、しらすと大蒜の「チェチェニエッリ」とか、
小海老とズッキーニの「ガンベレッティ」あたりを、
「MORETTI」の瓶を片手にいただきとうございます。
「VAN+P」
大田区上池台2-37-6 [Map] 03-5754-4323