
野毛のオヘソ辺りの有名焼鳥店の行列に、
急遽並んだ夏の日のこと。
「末広」のひと時を堪能したその足で向かったのは、
昼間その佇まいをじっくり眺め愉しんだ都橋商店街。
ひと気のほとんどなかった商店街も夜の帳が降りる頃には、少しづつ妖しさを帯びてくる。
沢山のお店が小さな看板に灯りを点して、その所在を示し、酔客ならんとするひと達を誘っています。
目指すお店は、商店街の二階にある。


商店街の両脇及び中央にある階段の、都橋寄りの階段を二階へと上がり、
大岡川に沿って湾曲した狭い通路を中央付近へと向かいます。
開店時間には少し間があるので、その扉は閉じている。

海から上がってくる風に吹かれながら暫く待つことにいたしましょう。
川面を向かい側の風俗店のネオンが妖しく照らしています。
開店を待つひと達が5~6名になった頃、
すぐ開けるからね!っと店主が現れた。
それが、初めてお会いする”仙人”、その人なのであります。
その日の一番乗りでL字カウンターの左奥へ。
お店の間口は、他の店と同じく一間半ほど。
小さなお店に酒瓶などなどあれこれがぎっしりと置かれ、
忽ち満席となり立ち飲みの人々が囲む店内は早速、
濃密な空気に包まれ始めました。


思わず、「仙人!一度来たかったのですよ~!」と訴えてしまう(笑)。
正面には「キンミヤ」のラベルを貼ったガラスの樽が鎮座しています。
仙人の発声により、この夜がスタート。
まずは、「白生ホッピー」をお願いしましょう。
仙人が、渋い真鍮色のサーバーからジョッキにホッピーを注ぐ。

ジョッキに氷が入っていないのは、
ホッピー・焼酎・ジョッキの3つをよく冷やす、
所謂”三冷”での飲み方を仙人が説いているから。
それは、氷を入れると風味が損なわれるのでくれぐれも注意!
とホッピービバレッジも推奨しているところ。
そして、ジョッキのひとつには、うっすらとハートマーク。

これも仙人が供してくれるサービス精神の賜物のひとつ。
そして、仙人の音頭で皆一斉に「カンパ~ィ!」。
狭い店内が一体となる瞬間です。
ああ、円やかな呑み口のホッピーであることよ。

仙人、旨いであります。

カウンターにあるのは、おつまみスナックのあれこれ。
「大人のばかうけ ナポリタン」が見つかりません(笑)。
そうそう、卓上には、類さんのサインの入った、
「BS-TBS 酒場放浪記」の酒枡や箸おしぼりセットなんかが置いてある。
仙人は、「キンミヤ」謹製の腕時計なんかも披露してくれました。
吉田類さん命名の「北米大陸の風」とどちらにしようか悩んだ末に、
もう一杯とお願いしたのが、その名も「堀越さん」。
注文に頷いてくれた仙人は、徐に白いスタンドのようなものをカウンターに置く。
スタンドの背には、「REAL HALF HOPPY By Project K」とある。

白ホッピーと黒ホッピーのハーフ&ハーフ「リアルハーフホッピー」を置くために作られたもののようだけど、他のジョッキの二層仕立てもきっとよく魅せてくれます。
「堀越さん」は、青リンゴサワーと白ホッピーのハーフ&ハーフ。

眺めて思わずニッコリの楽しいジョッキは、青りんごサワーの風味がいい感じに和らいで、
そこへ白ホッピーが顔を出す、少々女性向けな感じもするホッピーでありました。
「堀越さん」は、横須賀にホッピーを広めた元ホッピービバレッジの社員の方らしい。
ちなみに、「北米大陸の風」は、レモンサワーと黒ホッピーのハーフ&ハーフ。
仙人は、スプーンの背を使ってレモンサワーを静かに注ぎ入れてくれます。


これもまた、つまりはホッピーによるぷちプースカフェスタイルだね。
長っ尻は無用、「また来ます!」と仙人に挨拶して席を立つ。
背中で呑んでいた方達に止まり木を譲りましょう。
野毛・都橋商店街の仙境、
ホッピー専門店「ホッピー仙人」は、この9月で13周年。

「ホッピー仙人」は、ずっとずっと訪ねたかったお店の正に筆頭でありました。
そんな、永いこと温めちゃった期待をまったく裏切らない素敵な空間。
コアなファンも初めて訪れて立ち飲みするひと達も一気に和気藹々と愉しくなれる。
常連が常連ぶることもないまま、にこやかに新参者も迎え入れてくれる感じもまた、
仙人こと熊切さんの、ひとあたりよくクレーバーで、分け隔てなく懐深い、
男前なキャラクターの賜物であるのは、誰も疑うものではありません。
仙人、またお邪魔しますね。
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「ホッピー仙人」
横浜市中区宮川町1-1-214 都橋商店街2F [Map] 045-242-1731
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