日比谷にあるバーだからそう名付けたと考えるのが順当で、今も日比谷駅の周囲に3店舗ほどを構えている。
ただ、住居表示はいずれも有楽町で、ふと千代田区日比谷、という住所は聞いたことがないと思い付く。
ちなみに10円カレーでも有名な「松本楼」の住所は、日比谷公園、だ。
訪れたことのある「日比谷BAR」は恐らく、
今はもうないらしい日比谷1号店か、2号店か。
もしくはコリドー街のお店あたりかな。
そんなことを思い浮かべながら通過した改札は、
日比谷でも銀座でもない、三田駅のものでした。
慶応仲通り商店街のアーチを潜って、
ひとつめの横丁に潜り込む。NECの本社ビルも間近な横丁に、
「日比谷BAR WHISKY‐S III」はありました。
この7月初旬にオープンしたという、
「日比谷BAR WHISKY‐S III」は成る程、
真新しくもダークな木目を基調としたシックに落ち着いた装い。ポットスチルや有名処の蒸溜所などなど、
ウイスキーに纏わる様々な要素をモチーフにした装飾が、
随所に施されています。
左手にカウンター。
右手には、個室にも区切れるスペースがあり、
奥の壁には印象的な飾り棚がある。その棚はなんと隠し部屋の扉になっていて、
書棚に囲んだ秘密の書斎のような空間が潜んでる。
此処でお籠りしつつグラスを傾けて、
内緒話するのも一興でありましょう。
卓上には写真集のような装丁のメニューが用意されていて、
「日比谷BAR WHISKY‐S III」の世界観が丁寧に語られてる。とびらに明示したコンセプトは、
世界5大ウイスキーと自家製燻り総菜を愉しむお店、だ。
少々喉も乾いての口開きに相応しきは、勿論ハイボール。
スコッチにアイリッシュ、バーボンにご存じ「響」と、
5つの国旗と銘柄の並んだラインアップの中から選んだのは、
カナディアンなハイボール、
名付けて「”キング”ハイボール」。大きな氷がゴロっとグラスに収まり、
レモンピールを思わせるクリっと螺旋を描いた檸檬の皮。
「カナディアンクラブ」のハイボールが何故に”キング”かというと、
ウイスキーをキンキンに冷やしてて、
笑っちゃうくらいグイッといけちゃうから、なんだって(笑)。
ハイボールとタイミングも合いそうなツマミをと何気に選んだのが、
三田名物と謳う「チーズべったら」。キューブ状に刻んだべったら漬けにクリームチーズのコーティング。
心地いい歯触りと発酵した大根の旨味、
そしてなんといってもそっと纏わせた薫香がいい。
ハイボールのグラスをグイッと呷ったところに届いたのが、
「塩サバの燻製直火焼き」。なはは~と笑っちゃうくらいに、
燻した薫りと焼いた鯖の芳ばしさがマッチ。
アイラモルトのピート香やヨード臭との相性に連想が繋がります。
そしてして「日比谷BAR WHISKY‐S III」の目玉と云えば、
幾つもの切り口の用意された”ウイスキーフライト”。その軸であり、エントリー版なのが、
「世界の5大ウイスキーフライト」。
向かって左手のテイスティンググラスから順番にどうぞ、
とのご指南に従ってグラスの香りを確かめ、傾けます。
左から、カナディアンクラブにジムビーム、
響ジャパニーズハーモニーにカネマラ、ラフロイグ セレクト。微妙に色味の違う琥珀色が並ぶ図というのは、
なかなか美しいものですね(笑)。
一番印象的だったのが、
恥ずかし乍らお初と思しき「カネマラ」のグラス。スムースなアイリッシュにして、
そこはかとなくピートの香り漂う感じがいいんだ。
人生を変えちまう「チェンジマイライフ・フライト」とか、
頑張った自分へのご褒美「トゥーマイセルフ・フライト」とか、
色んなアプローチの”フライト”がこうして用意されているのだけれど、
「世界の5大」の最後に呑んだ「ラフロイグ セレクト」から、
派生するように”フライト”することを選んでみました。
それが「ラフロイグ ロア3 フライト」。「ラフロイグ セレクト」をお代わりするカタチになり(笑)、
「ラフロイグ 10年」から伝承LOREと名付けた「ラフロイグ ロア」へと、
ニュアンスの違いを舐めるように愉しみます(笑)。
アイラの、スモーキーな琥珀の代表格に、
間違いなく似合うでしょうと、
「牡蠣のオイル漬け」を呼び寄せる。しっかり纏った牡蠣の薫香が、
ラフロイグたちのスモーキーフレーバーと確信犯的に符合します。
メニューのこのページの一文を読んで、
初めて「ラフロイグ」を口にした時を思い出して可笑しくなる。
最初は、試してびっくり!だったのだけど(笑)。それがいつの間にかクセになったかのよう。
そう思いつつ「ラフロイグ ロア」をトゥワイスアップで。
そうそう「海老カツサンド」も勿論、燻製仕立て。チップの香りのするホットサンドなんて初めて食べた。
そして遠からず、
庭に燻製器持ち出しそうな自分を発見するのですね(笑)
帰り際にこんなパスポートの交付を受けた。「日比谷BAR WHISKY‐S III」で、
各国への”フライト”の記録をスタンプで残しつつ、
このパスポートを手にしての旅もいい。
そう云えば、至近なる兄弟店「日比谷Bar 三田店」が、
新装”改”店したそうですよ。
三田の横丁に世界の5大ウイスキーと自家製燻り惣菜をお愉しめる、
日比谷BAR WHISKY-Sの3号店「日比谷BAR WHISKY-SⅢ」がある。色々なフレーバーのウイスキーと、
燻製惣菜との組み合わせがウリなんて、
ズルいとしか言い様がありません(笑)!
「日比谷BAR WHISKY-SⅢ」
港区芝5-16-7芝ビル1F [Map] 03-6436-9376
http://www.hibiya-bar.com/whisky-s3
こちら行かれたんですかw
結局何度もお店の前を通ったのですが
結局行くことなく三田を離れてしまいました。
うーん、残念。