
1月下旬の日曜日深夜の不審火で、
罹災した三軒の飲食店。
幸いなことに「アン カルネ」は、
一時休業の後、復活を果たしたけれど、
たん「助六」とカレー「プラクリティ」のあった建物は、
ずっと白い耐火シートの仮設に包まれた後、
解体作業が始まりました。
基礎廻りの瓦礫を残すのみとなったある日の敷地。

こうして、次第に此処に何があったか、忘れ去られていくのでしょう。

敷地の脇に置かれた工事用コーンに巻いたお知らせ文には、
「助六」再開の情報が!
実は、「アン カルネ」のマスターから、
「カレー屋さんも移転して、助六さんも茅場町の方で再開する予定のようですよ」と、
そう聞いていたのです。
どんな様子なのだろうと気も漫ろに(笑)、
再開予定地を眺めに寄り道。

それは、ワンコインな名古屋めしの店「じゃんだらりん」があった場所。
外構の作業も進んでいるようでありました。
平成通りの歩道上のA看板に開店日を知らせる告知がされた。

罹災からおよそ5ヶ月の時間を経て、「助六」が再開しようとしていました。
いよいよ訪れたオープンの日。

祝花に囲まれた店頭には、あっという間に行列が出来上がる。
「助六」再興の周知は上々のようです。
手狭な店内を奥へと進んで、入れ込みのテーブルに着く。

壁の品札には、「牛たん唐揚げ」や「牛たんつくね」があって、
夜メニューのラインナップであると推察しながら見上げます。

卓上にみるランチメニューは、きっと以前と同じ定食たち。
テールスープとおしんこつきで、
麦めしのお代わり自由のフレーズも変りません。
やっぱり基本形だと思う「牛たん焼きとろろ付定食」から。



焼き網の跡が点線を描く牛たん焼き。
がしがしっと噛んでは、じんわりと牛タンの旨味と香りを味わって。
白飯ではなくて、麦飯が牛たんに妙に似合うのは何故かしらんと、
そう改めて考えながら、とろろとコンビなのもまた麦飯だもんねと、
今更ながら最初にそう組み合わせたヒトに敬服してしまいます。

裏を返して、翌日のおひる時。
今度は、カウンターの一席に収まって、
「牛たん煮込み定食」を所望します。

サイコロ状がほろっと解けていい具合。
味の滲みた大根や人参、そしてキャベツのおしんこを合いの手に、
一気に平らげてしまいます。
火事罹災から再開なった、たん料理の店「助六」は兜町の裏道に。

歌舞伎の定式幕を思わせる三色の縞模様に刻んだ「助六」の文字。
女将さんに「大変だったですね」と声を掛け、「二度目の移転になりますね」と続けたら、
「あら!お若いのにそんなことご存知?」と驚かれた。
いえもう、随分と永く此処辺りを彷徨っているもので(笑)。
口 関連記事:
Bistro&Bar「アン カルネ」で 生姜と茗荷のポークグリル祝う復活(13年06月)
たん「助六」で 牛タン焼きはたまた牛タン煮込み牛タンシチュー(09年05月)
たん「助六」で たんは焼かずにしゃぶに佳し唐揚げつくねに角煮(09年05月)
「助六」
中央区兜町16-6 [Map] 03-6667-0155
column/03397
助六さんの牛タンが食べれなくて、家族でがっかりしていました。
再開、本当におめでとうございます。また、うれしい限りです!