西武線練馬駅の改札を出て、地上に降りる。
こうして練馬駅が改装されて高架の駅となったは何時のことだったっけと考える。
もうそここその時間が過ぎたような気がします。
千川通りを渡って右手に回り込み、目白通り寄りにあるつけ麺の某店へ。
ところが営業している様子がない。
已むなく辺りを徘徊しました。ちょうど駅前に真っ直ぐ通じる横丁の角に、 いい雰囲気の暖簾を認める。
ざわざわとした賑わいに包まれながら、 ここのテーブルでねーと居場所が決まる。 座りながら見つけた品札で、「にこみ」。 そして、「ホッピー」を所望します。
ホールの姐さんたちは、やや片言のアジア系のひとが多い。 どこか知らん振りな表情なのに(笑)、いいタイミングで「中?」と訊いてくれるのが、 妙に嬉しい。
「とり皮酢味噌」、旨し。
焼き台の前では、眼光鋭き大将が炭の機嫌を窺い、焼き目を確かめる。
もつやき2本にとりにんにく。
別の宵闇にふたたび暖簾を潜って、 今度は細長いコの字カウンターの一席に交ぜてもらう。 やっぱり「ホッピー」と、「にこみ」ならぬ「煮込豆腐」ではじめます。
肉だんご、とりかわ。
紫煙漂うカウンターも、そこにホッピーが林立している様が愉しい。 ふと「家族ゲーム」のシチュエーションを思い出す。 余りに表情豊かな面々ゆえ、 誰が問う訳でもないのに、その中の一員に自分はなれているのだろうかと思ったりして。 カウンターの皆さんの心象観察をちょっとするだけで、小説が書けそうな気になる。 常連さんの中にはきっと、注文の順番とその呑み代の計算とが席に着く前から出来上がっているひとが少なからずいるような気もします。
焼き台に向かって左手の壁上には、 長年の煙や油に燻されて判読不能となりかかった額がある。
昭和39年創業のもつ焼き「金ちゃん」。
「金ちゃん」 練馬区豊玉北5-16-3 [Map] 03-3994-2507
column/03365
