
高円寺北口の駅前に立つとどうも、
目線は高野青果脇の路地を探す。
立派なゴーヤなんかが並び賑う店の横を抜けると、
何時ぞやお邪魔した煮干しらぁめん「ひら石」の収まる「大一市場」がある。
久し振りだから様子を眺め浸らなければと闖入して、
タイ料理店やベトナム料理店が醸し出すアジアの片隅的雰囲気に和むのもいい。
「ひら石」も健在のようです。
そのまま「大一市場」を向こう側に抜けて、くるっと回って駅の方へと戻り、
ふと振り向いた路地にも飲食店のものらしき看板が窺える。

ここの奥なんじゃない?と進んだところで、
目的地の沖縄料理「きよ香」の提灯が見つかりました。
じっくりと時間を掛けて味わいを増した風情の店内が、いい。

賑うカウンターの様子を眺めながら、予約の名を告げる。

上に上がってと伝えられて、階段を上がりかけたところに、
中二階の屋根裏部屋みたいな個室が目に留まる。
此処いいですか?と訊けば、あ、どうぞとなりました。
包まれ感が心地いい個室で、待ち人を待つ間に届いた、
オクラにおかかを振ったお通し。

早くオリオンを呑みたいぞ。
待ち人ふたりは先に二階の座敷に通されていて、すでにジョッキを空ける頃(笑)。
やっとこ合流して早速、お待ち兼ねの「オリオン」をいただいて、乾杯です。

そんなビールによく合うと謳うは、
ぴり辛いチョリソーを炒めた「ポチギ」だ。
意外そうでいて成る程、沖縄チックだなぁと思うのが、「カジキマグロの天ぷら」。

石垣や沖縄でマグロ?と思う向きも少なくないかもしれないけれど、
石垣島でもそれ相応のマグロが水揚げされているのです。
「中身イリチー」は、つまりはモツの炒め物。

味噌仕立てで炒めてあって、
嫌味のないモツの風味をシャキッとした野菜たちと一緒にいただく。
泡盛・古酒にも勿論ぴったりのお皿です。
って、ことで何杯か泡盛をいただいたところで改めて、
「きよ香」提供の「飲み比べ泡盛」をお願いします。

それは、3種類の泡盛・古酒を組み合わせて、税別700円でどうぞ、というもの。
割と定番な3種類、宮古島の「菊之露」、ご存知沖縄本島の「久米仙」(久米島にも「久米仙」がある)、そして石垣で親しんでいるところの「請福」の組み合わせを選びました。
うん、同じ30度の泡盛であっても、
鼻を抜ける香りや感じる重さ、角の有無などが微妙に違う。
ま、呑む程に判らなくなってくるのだけど、ね(笑)。
「スヌイの天ぷら」の”スヌイ”は、もずくのことだよね。

当地では、割と見かけることの少なくないもずくの天ぷらだけど、
あれば注文したくなるのは何故でしょう。
いままで見覚えのなかった「チキアギ」とは、
一般に白身魚のすり身に牛蒡や人参を入れて揚げたものを云うらしい。

丸くするのが定番なのかなぁ。
揚げ色しっかりなあたりは、石垣の「マーミヤかまぼこ」とはまたちょっと違う魅力のする。
揚げ立てをホフハフいたたけばもう、不味かろうはずもありません。
そして、ご存知「ソーミンチャンプルー」。

優しくお腹を満たしてくれます。
泡盛の心地よい酔いとともに、あっという間に時間が過ぎて、
気がつけば終電間近に。

ふと、忘れ物があるよな気がして、その路地を振り返る。
うん、いい路地だ(笑)。
東京の沖縄料理店の中では、古株中の古株ではないかと思う、高円寺「きよ香」。

個室の壁に貼られていたポスターにはなんと、「本店きよ香50周年記念」とある。
Webサイトによれば、石垣島出身の高橋淳子ママが開業したのが、1961年のこと。
そこ頃きっとまだ、よく知られていなかったであろう沖縄料理。
あったのは、在京沖縄料理店の草分け、池袋「おもろ」くらいだったのではないかなぁ。
そして今もなお、じわじわと伝え続けてくれていることに、そこにあることに感謝です。
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「きよ香」
杉並区高円寺北3-22-2 [Map] 03-3339-5722
http://www.dachibin.com/kiyoka.html
column/03308