
高円寺の北口を出る。
そこから左手を眺めると、
駅前のロータリーに面にして、青果や生鮮を扱う、
如何にも昔ながらの商店が見つかる。
店の廻りは賑やかで、それぞれの店舗が挟む小径にもひとが往き交っている。
そこを分け入るように進むとその右手にさらに、
「大一市場」と呼ぶ、これまた昔ながらの市場が潜んでいる。
「大一市場」には、さまざまな乾物を広げた商店やもつ焼き居酒屋、一寸気になるベトナム料理の店なんかがあって、駅前エリアにして混沌とした感じがいい。
通路はL字に左に折れて、そのまま裏側へと抜けていく。

今夜は、その「大一市場」の中の一軒、「ひら石」で晩ご飯です。

カウンターに座って見上げると、
瓦で飾った壁に「無化調にぼしらぁめん」と筆文字で。
ほう!と思いながら、まずは「餃子焼いてください」とオヤジさんに声を掛ける。
「ジャンボ一人前でいいですね」と訊かれ、
とっさに「ハイ」と応じてから、改めてメニューをみる(笑)。
「ジャンボ餃子」は、その名の通り、ジャンボな餃子が5個なヤツ。
2個から注文できる、とあるので、大きさによっちゃー3個くらいが適当かなと思っても、
もう餃子は鉄板の上。
それじゃーということで(笑)、「プレモルのグラスもお願いしまーす」ということに相成りました。
焼き上がった餃子は、やっぱりジャンボ。

なかなかの量感に一瞬たじろぐも、焼き目に誘われるように手を伸ばす。
粗めに挽いたお肉がたっぷりで、食べ応え十分。


どちらかと云えば、皮とあんのバランスがいい小さめな餃子が好みなのだけれど、
これはこれで悪くないなぁと思いながら、プレモルをグイとする。
なはは、当然ながら、餃子にもよく似合うのだね。
ジャンボ餃子5つを平らげたところで、肝心のラーメンを物色

します。
「らぁめん」に「ごまみそらぁめん」「香味油らぁめん(しょうゆ・ごまみそ)」と、
「つけめん(しょうゆ・ごまみそ)」がある。
結構いい腹持ちになりつつある、その辺りを擦りつつ、
基本形の「らぁめん」に「半熟味付玉子」のっけをお願いしました。

麻袋にワシと掴んだ煮干を入れる大将の所作を眺めながら、
麺上げを待つひと時。
「お待ちどーさま」と受け取ったどんぶりは、醤油の色濃い中華そば。

スープを啜れば、きりっとした醤油の風味と酸味の後から、
煮干を含めた魚介系の出汁がふーんとする。
ここでもやはり、「伊藤」「凪新宿」に思う、”これでもかー!”次元の煮干の強さはないけれど、
たっぷりとしたスープに大らかに孕む旨味に次第に気持ちも満たされてくる。
「ひら石」では水にも拘っていて、モンドセレクション最高金賞受賞の「自然回帰水」という水をすべての料理に使っているらしい。
口元滑らかにして歯切れのいい無かん水麺に、とろとろに半熟の味付玉子、
そして久し振りに口にするナルト、
そしてあっさりしてそうでいてコクのある熱々スープ。


うん、いいンでないの。
高円寺、大一市場に潜む、無化調にぼしらぁめんの店「ひら石」。

餃子にグラスのプレモル1杯、そして基本形らぁめん。
お愛想を告げたら、大将の平石さん、率直にこう応えてくれた。
「沢山食べてくれて、ありがとねー」。
ラーメン店でこんな風に云われたのは初めてで、なんだかちょっとグッときちゃいました(笑)。
「ひら石」
杉並区高円寺北3-22-8 大一市場内
[Map] 03-3310-8922
column/02868
すてきすてき、このお店も素直なありがとうの大将も。
やっぱビールには餃子ですか?
肉料理、という風格の大きさですね。
こんな市場に迷い込んでみたいです!!
(扉を開けなくていいこんなラーメン屋さんや立ち呑みやさんだったらひとりでも行けそう!イメトレ中〜!)
Re;laraさま
まだまだ東京にもこんな市場があちこちにあるですよ~。
餃子はね、奇を衒うようなサイズじゃないけど、うむむむデカイ~って感じ。
ららレディはやっぱり、吉野家にはひとりで入れない、かな(笑)。