
いつぞやの富士ビルの角。 Closedの札が掛かる木目の扉。

見憶えのあるコの字に配した硝子のカウンター。



みんなの目線を集めていたのが、この秘密の会の主役たち。

さて、真昼のSecret Oyster Barは、 「THE LOUNGE」のオーナーソムリエである濱岡さんが、 殻付き生牡蠣の伝導師こと佐藤Gen氏とタッグして、こっそり催すもの。
主の濱岡さんが選んだ乾杯のシャンパンは、 「ANDRE ROBERT CUVÉE DE RESERVE BRUT」。 白葡萄のみで作るすっきり系のシャンパンが牡蠣に一番合うのではとの思いから選んだ、 シャルドネのblanc de blancだ。
そこへ早速やってくるのは当然殻付き牡蠣かと思いきや、 それは意外なショットグラス。



と、厨房から大きな銀のトレーを手にしたお兄さんがやってきた。 トレーには、どどんとデッカイ牡蠣が鎮座坐している。

支えたままのお兄さんの両手が微妙にぷるぷるし始めるほどの重量感。

ま、極端な例ではあるけれど、 大きな牡蠣は、楽しい牡蠣。 そして、ひと口ですっと食べられるのが美味しい牡蠣。
牡蠣が、貝柱や内臓やヒラヒラに海水を交えた構成のバランスが絶妙にとれた、 殻をお皿にしたひとつの完成された料理であるには、 ひと口で味わえるサイズであることが必須なのであります。
フランスでは、法律で牡蠣の大きさについて6段階の規定があるそうだけど、 日本にはまだそれがない。 サイズの規定規制がないのだから、オイスターバーで日本の殻付き牡蠣をオーダーして、 テーブルに届く牡蠣の大きさにバラツキがあっても現状では仕方のないこと。 いつか、好みの大きさで日本の殻付き生牡蠣をオーダーできる日が来るのかなぁ。
ワイングラスがパスカル・ジョリヴェがなすロワールの「SANCERRE」に。 ソーヴィニヨン・ブラン100%であることも、濱岡さんのリコメンド。 極小の牡蠣、特大の牡蠣に続くサプライズが、 白い蓮華的スプーンに載ってやってきた。
それは、岩牡蠣のヴァージンオイスター「岩牡蠣SS」。

これがまた、旨い。 牡蠣の味わいの宇宙が凝集しつつ、歯応えも加減良く含んでいる。

さて、ここでクエスチョン。 日本のオイスターバーでは、殻を開けた生牡蠣の身を”洗う”なんてことをしているかどうか。 答えは、保健所の指導があって、水やナノバブル水なんかでなんらかの洗浄をしなければならないことになっているらしい。 安心安全にいただくための指導そのものには異議はないけれど、そのために失っているものもちょっとあるよな気がします。
目に前にふたつ用意されたのは、 広島の大黒神島からやってきた若牡蠣「大黒神」。

ただ、そのためには、雑菌やウィルスが混入することのない、 混入していない牡蠣を養殖する必要がある。 牡蠣を塊りで垂下していると殻の洗浄がし難いので、 結果、殻に付着物があるまま流通に乗せてしまうことになる。 シングルシード方式なんかは、その答えとしての一面もあるのだろうね。
そしてなにより、海の環境、そこへ流れ込む川とその流域の環境が問われるは当然のこと。 ああ、清浄なる日本の海よ。
ワインが変わって、今度はニュージーランドのシャルドネの。 シレーニSILENI社が供する「CELLER SELECTION CHARDONNAY」。 今度は一転、シアトルからやってきた牡蠣「至極オイスター」。 今や世界的なブランドとなっている「クマモト」に憧れてつくったという、 新しい種類の真牡蠣だ。


殻付き生牡蠣の伝導師は、 “産地100点の法則”というキーワードも繰り返し説いてくれている。 産地まで足を運んで、そこで採れて間もない牡蠣をいただくのがやっぱり100点で、 そこから流通に乗り運ばれしていくうちに残念ながら劣化していってしまうもの、と。 それは、石巻の牡蠣小屋「渡波」で実感したこととも符合する。 牡蠣小屋では焼き牡蠣だけどね(笑)。
同じ、大黒神島からやってきた「かき小町」は、3倍体の牡蠣。 卵を作らず産卵しないので、養分やグリコーゲンを失わず、 それゆえ四季を通じて美味しくいただける。
その「かき小町」に添えられたワインが意外や!赤ワイン。

炙ったチョリソーを齧って、牡蠣を食べ、赤ワインを傾ける。

〆は、牡蠣でちょっと冷えた体を温め、欲する脂を含んだリゾットで。

産地100点の法則がより叶う牡蠣を丸の内で愉しめる「THE LOUNGE」。

口 関連記事: BAR & LOUNGE「LES CAVES TAILLEVENT」で 軽いランチ(05年03月) 築地仲卸・築地三代直営「地下の粋」で 夏の真牡蠣に岩牡蠣に(10年08月) かき小屋「渡波」で 万石浦採れ立て焼き牡蠣の衝撃的な旨さ(12年03月)
「THE LOUNGE」 千代田区丸の内3-2-3 富士ビル1F [Map] 03-3216-9118
column/03287
+1