と、店内もまた妖しい。 紅い天鵞絨のカーテンが囲み、シャンデリアとアンティーク調のランプがほの暗く灯ってる。奥には、カーテンで仕切る二人だけの世界的ソファー席。 バブルの頃、そんなんちょっと流行ったかもと。 四名さまは、フロア唯一にして中央の長テーブルに案内されました。
メニューは、悩ましき裏表。 前菜と真牡蠣それぞれ3種をベースに、主菜と食事を別途組み合わせるか、 黒毛和牛と牡蛎のステーキか、ブイヤベースか、チーズフォンデュかを選ぶフルコース。 四人にして、何度もメニューをひっくり返して、あーだこーだ(笑)。 ベースコース+主菜+食事で挑むことに決します。
ソーヴィニヨンブランの一本で乾杯。 そこへ届いた最初の前菜もまたグラス。 「生ウニと牡蠣のコンソメジュレのカクテル」。翳したランプの灯りを頼りにグラスの中の表情を探る。 なにせ暗いので、なにが入っているのか手探りする感じ。 ああ、コンソメのジュレを包んだトマトの酸味の中に、 雲丹の甘さと牡蠣の風味が確かにあるね。
続いて、スプーンならぬ、蓮華に載った小さな前菜「イクラと牡蠣サーモン手毬風」。イクラと牡蠣とサーモンのバランスを図るのが意外や難しいのが判ります。
謂わば定番の、「焼牡蠣 香草とチーズのパン粉焼き」を食べ終えたところで生牡蠣3種。厚岸、日生などで、妙に拘った産地のものを用意するものでもないようです。
メインディッシュのひとつが、いつぞやつきじろうさんもいただいていた、 「伊勢海老と牡蠣のブイヤベース白子入り」。やっぱりウマウマな表情をじっくり拝みたいところも、なんだか覗き込むような感じになる。 半切の伊勢海老はやや小振りか。 浅蜊に鮃に、勿論牡蠣の身も含んでいます。 ああ、でも、こうすりゃやっぱり旨いよなぁ、と唸るスープの旨み。余り複雑濃厚に過ぎず、魚介のエキスが素直な恵みを与えてくれています。
たまには、「牡蠣のムニエル」とか「牡蠣のチーズフォンデュ」とかという手もあるなと承知しつつも、結局選んでしまう「特上牡蠣フライ」(笑)。水菜を下敷きに、たっぷりのタルタルとバルサミコっぽいソース。 正直、期待したいほどの特上感はないものの、 遜色なく旨い牡蠣フライであります。
監督グヤ兄さん羨望の「楸特製 牡蠣フライのせ黒いカレー」は、 フライがダブっちゃったりするやなんやで、昼に銀座で喰うワ、ってなことに。 代わってシメのお食事に選んだのは、突然和風な「牡蠣の炊き込みご飯」。 どこぞの割烹や築地「やまだや」なんかでも思わず、おおぉと小さな歓声を上げるパターンよろしく、土鍋ごと一旦テーブル持ち込んで、蓋をぱかり。立ち昇る湯気中にみる、牡蠣の身たち。 縮んでいない勇姿にやっぱりおおぉと口走ってしまいます(笑)。
そして改めて器に盛り込まれた、炊き込みご飯。 ふっくらとそしてつややかに色づいた牡蠣をその滋味を移したご飯と一緒に頬張る。これもまた、ある意味ズルい、牡蠣の堪能の仕方のひとつでしょう。
どこか懐かしい妖しさ漂う牡蠣料理のお部屋、「麻布 楸」。ワインをちょいと呑めば、表裏どちらのコースを選んでも、結局一万円札では足りない感じになる模様。 それに照らすともうひと超え、満足度を充たす工夫をお願いしたいところです。 付け加えるなら、料理が一番美味しくビビットに映える照度と色温度に配慮した照明が施されているのも、イケてるレストランの構成要素のひとつではとも思います。 監督、kimimatsuさん、油ちゃん、ありがとー。
口 関連記事: 演繦料理「銀座 楸」で 赤穂牡蛎フライのせカレー牡蛎入りカレー(11年10月)
「麻布 楸」 港区麻布十番2-16-9 網代ビル2F [Map] 03-3452-3902
column/03210
ついに出ましたね!こうしてまさぴ。ブログでみるとウマそうやな(爆)。
シャイな兄さんが女子と十番???
猫だって冬はおとなしくしてるにゃー
いったい何があったんかぁ嗚呼嗚呼~
ところでアンデガスは?
>イケてるレストランの構成要素のひとつではとも思います。
この思いますの代わりに使うのは如何でしょう\(◎o◎)/!(イミフ)
Re:グヤさま
拝啓、お待たせをいたしました。
そこはやっぱり暗がりのマジック。
逆効果の逆さまの~(爆)。
Re:Gingerさま
十番は庭やで、ニワ!と兄さんは仰ってました。
ダブルデートえーなー、とも(笑)。
ひとつでは~とアンデガス♪