暗闇坂の一本手前の路地は、そうと知らなければ訪れることのないエリア。
青い照明を妖しく儚く点した壁の建物1階は「アザブハウス」というイタリアンだ。
はて、目当てのバーはと探ると、2階テラスへの外階段を上がり、さらに一番奥まで進んだところに、「Maeda Bar」を示すプレートがありました。
左手に据えられたカウンターの手前側に案内され、
オーナーバーテンダーと向き合います。
柔和な表情と物腰が早くも和みの雰囲気を醸してくれる。
目に留まった「白州」を舐めた後は、
“Barman’s Nose”と表題された、
オリジナルメニューからチョイスしてみることに。
「ちょっとマニアックな感じの、
バーマンの鼻で組み合わせた相性です…」と謳ってあり、
単純な2種の組み合わせに意外な風味の広がりを楽しめる、とある。
まずは「Smoked Cream」。
スコッチベースのクリームリキュールにラフロイグを加えたもので、
スモーキーなカルアミルクという感じ。
続いて「Rie Gin」。
癖のあるライウイスキーの風味のあとから、
ジンのさわやかな香りが舌を取り囲んでくるようで、
これも面白い。
ああ、そろそろ酔っ払ってきた。
そんな頃、カウンターの一番奥でひとり静かに呑んでいた先客がすっと帰っていく。
もしもツレの大阪弁をがなる大声で居心地を悪くされたのなら、
お詫びしますね。
ごめんなさい。
「Maeda Bar」
港区麻布十番2-7-14azabu275 2F [Map] 03-5439-5727
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