新富の「青森の店」からの帰り道。
ロジスキーの性分は例によって、わざわざ細い路地へと足を運ばせます。
辿る足は、もつ鍋「一慶」のある筋へ。
その「一慶」のちょうど斜向かいあたりで、
装い新しきお店の前を通り過ぎたことに気がつきました。
看板を見上げるとそこには、
端正な筆致で「八眞茂登」の文字。
あれ、これには見覚えがあるぞと立ち止まって振り返ると、お店の入口に置いた丸椅子に座るオヤジさんと目が合いました。
あ、この方はもしや、あの店のあの方では!
気がついたらこう訊いていました。
「八眞茂登って、銀座にあった、あの八眞茂登ですか?」。
するとその御仁はニヤっと微笑んで、「そうですよ、ご存知ですか」と。
「ヴェトナム麺」で話題だった「八眞茂登」が「東東居」と相前後して店を閉めてしまったことは、ヒロキエさんの記事で知って、残念に思っていたところ。
いま目の前にいるオヤジさんは、ヒロキエさんの四コマでもキャラの立っていた、あのオヤジさんに違いないではないか。
僥倖という言葉を脳裏に浮かべつつ訊くと、今月(11月)から居酒屋として営業を始めていて、近くランチもはじめるのですよ、仰る。
「しゅうまいもやるかも、ね」。早速、ランチにお邪魔しました。 気持ちのよい花柄の暖簾を払って、引き戸を引く。 合板を駆使したシンプルなデザインの店内で、左手に壁に向かうカウンターが据え付けてあって、右手にテーブルが並んでいます。
その翌日、もうひとつの定食をいただきに。 テーブル席から正面にみる合板の壁には、筆文字になる夜の居酒屋メニューが貼られています。
「八眞茂登」を始めたのは、昭和23年のことでしたのよーと女将さん。 初めから銀座にあった訳ではないらしい。 そこで、やっぱり気になることを訊ねてみました。 「もう、ヴェトナム麺はやらないのですか?」。 そうよねーと、でも柔らかな表情で説明してくれたところでは、継ごうとする息子さんにとっては地下に籠った油や匂いや湿気やなんやで決していいとはいえない厨房の環境が子供心にトラウマで、同じ厨房に立つことは難しかったのだそう。 そうこうするうちに、家賃の負担が圧しかかってくるようになって、両店を閉めることにしたンですよー、と。 自宅を改装したものだという今の店舗二階の厨房はそんなこともあって、中華料理仕様にはなっていないのです。
居酒屋として新生なった西八丁堀「八眞茂登」は、こっそり佇む路地の中。
「八眞茂登」 中央区八丁堀3-15-10[Map] 03-3551-4456 http://8t-yamamoto.com/
column/03053



おー、オープンしましたか!
八重洲で居酒屋でオープンすると閉店を知らせる張り紙には
ありましたが、
そういういきさつがあったのですね。
伺ってみたいけど、ちょっと厳しいかなぁ(笑)
Re:のむのむさま
八重洲じゃぁないよねー(笑)。
おひるどきはちょっとしんどいかもなので、夜の居酒屋にいずれ参りましょー♪
初代の親爺さんは北海道から熊を連れてきて.銀座の大通りを闊歩した。それで一躍有名人になった。
二代目の現社長は、早稲田大学を卒業したが、そんな素振りを見せないジェントルマン。
三代目は色男で、社交的。女子社員を誘って三重の銘酒で一杯飲むのも一考だと思っています。
Re:茂田さま
コメントありがとうございます。
ああ、初代社長の姿、拝見したかったです。
有名店ゆえ、銀座の頃を知ってるひとも少なくないのでしょうね。
一度夜にも行かなくちゃ。
ここ、やっとランチで行ってきました。
シュウマイと大山鶏の唐揚げを
頂いたですが、どっちもうまいす。
二代目の「お言葉」も
聞けました。早大卒だったとはw
Re:puzzさま
ちょっとゆるーい雰囲気もいいですよね。
夜の部へはまだです。
あ、そうそう最近シンガポールなお店が八丁堀にオープンしましたよ♪
そうそう、
元文房具屋の店舗ですね。
今度行ってみますw