武蔵野うどんを愉しむ上での標準としてまず想い浮かぶのは、廻田町四丁目交叉点の「小島屋」。
薪で焚く釜も佇まいもオバチャンの応対も味なお店だ。
臨時休業じゃなけりゃいいけどと少々不安を抱きつつ訪れると、危惧した通りのお休みモード。
残念だけど、東村山にいれば他に店はある。
店の裏に積まれた薪を眺めつUターンして、駅の方へと向かいました。
目指すは、以前お邪魔した「こせがわ」への道中にチェックしていた、
手打ちうどん「きくや」さん。
本店といわれる廻田町店とは姉妹店なのでしょう。
駐車場の案内表示に戸惑いながらも車を停めて、暖簾の向こうへといざ。
ちょうどもう最後の釜を上げたところで、お客さんのピークは過ぎている様子。
もうちょっと遅かったら喰いっ逸れていたかもしれません。
見上げる黄色い札の「3L」「4L」表示が、
正統派を思わせてなんだか嬉しい(笑)。
6玉相当の4Lで「肉汁」を冷たいのでいただきます。
廻田町店にはあったかなかったか、こちらには「カレー」の汁もあって、
「肉汁」とのダブルなんて組み合わせもできるみたい。
と、手際よく盛られたうどんに天ぷらを載せ、「もう最後なんでサービスでカレーもつけときますね」とオネエサン。
はい、ありがとう。
竹を節のところから輪切りにした器はきっと、廻田町店と同じもの。
やっぱりこの妙に漂白していないうどんの表情が武蔵野うどんの見栄えであります。
バラ肉の浮かぶつけ汁にどっぷりと浸して、品なくずずずと急くように啜る。
あああ、うまい。
この粉の風味が武蔵野うどんの醍醐味だ。
量感を伝えつつもくにゅんと歯切れる、ちょっとした野性味。
うどん=讃岐うどんなヒトの中にはネガティブな感想を持つヒトがいるかもしれないけど、いいんだもん、これが武蔵野うどんなんだもん。
残念ながらもいまや仕方のないことなのは、地粉のうどんではないこと。
国産の小麦粉だと伺ったけど、やっぱり農林61号なのかなぁ。
そんな意味では、曜日限定でも、柳久保の地粉のうどんを出してくれてた東久留米の「一長」は、地味だけど凄いことなんだね。
東村山の駅から歩いていける武蔵野うどん「きくや」は、こちら諏訪町店の方。
ご年配のおばちゃんたちの味ある応対も嬉しいけれど、こうして気概を受け継いだ若手女性が切り盛りするお店もこれからに向けて心強い、であります。
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「きくや」諏訪町店
東村山市諏訪町1-1-3
[Map] 0423-96-1150
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