
根津の小径、観音通りの「呼友」を離れて再び不忍通り。
もう少し呑んでいこうかと、漫ろ歩き。
通りからとある路地を覗くと、暗がりにスタンドサインの灯りが誘う。
ロジスキーには、こうゆうシチュエーションも気になる妙味のひとつ。
その灯りが、バー「根津BAR」のものでした。
硝子ブロックの外装の中を窺うと、そこにも硝子ブロックでアールを描いた壁があって、その壁に沿って左手に廻り込む細い通路がある。
どなたかのご自宅の設えであるようにも、そのお店のためのアプローチであるようにも見える。


スタンドサインが示すBarの所在はこの奥であるのかと、何故か抜き足差し足になる(笑)。
左手の竹で組んだ壁に木板プレートを見つけて、正解と知る。
その先の扉を入ればすぐにカウンターが迎えてくれました。
「根津バー」は、硝子ブロックで包んだバーなのだ。
最近の恒例、モーツァルトリキュールはないかと訊くと(笑)、残念ながら置いていないと云う。
ならばと、バックバーを眺めて、気になったボトルを指名する。
カウンターに置かれたボトルは、「ROYAL LOCHNAGAR」のそれ。
ヴィクトリア女王が愛したウイスキー、を肩書とするモルトは、東ハイランドのロッホナガー山麓の小さな蒸溜所によるものだという。

クラッシュアイスの気分でいただいたグラスは、シェリーを想うきゅっとした強さとその後の深いコク風味。
酔った身体と頭には、溶ける氷の柔らかさを添えて愉しむのもまた一興なのである。
電車の時間を気にしながら、もう一杯だけとふたたびバックバーを眺める。
すると、およそ同じラベルの「GLENMORANGIE」が並んでいる。
どう違うのかと問うと、それぞれにフィニッシュが違うのだと云う。
シェリー樽やバーボン樽でのフィニッシュは割とよくあるけど、例えばひとつはBURGUNDY WOODのそれで、もうひとつはMADEIRA WOODでのボトル。

マデイラ・ワインの樽でフィニッシュさせたものかぁと後者を選んで、ストレートでお願いする。
ミントの甘さのような風味が一瞬過ったようにも思ったのだけど、それがマデイラ酒由来なのかどうか、ただの気のせいかは酩酊の影にもう判らない(笑)。
根津の隠れ家バーは、その名もそのまま「根津BAR」。

今度は、うどんの「釜竹」でちょっと呑んで、うどん啜って、ふたたびまたこのカウンターで、BURGUNDY WOODかPORT WOODフィニッシュのグレンモーレンジを舐めるというはどうかな。
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「根津BAR」
文京区根津1-22-16
[Map] 03-3822-9095
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