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中国ラーメン「揚州商人」で さようなら冬かきラーメン刀切麺
ふらふらと散策するでもなく、徘徊するでもなく歩く武蔵小山駅の北側辺り。
と、拡張途上のような道路の向こうに、煌々とした灯りに浮かび上がっている店があるのが否応にも目に留まる。
あ、こんなところにも「揚州商人」があったのね~と近づく。
入口脇に立て掛けてある看板が大きな文字で知らせているのは、「さようなら冬かきラーメン」。
2月末で早くも、さようならと。
随分と郷愁を誘う、寂しいフレーズじゃぁありませんか。
そうか、ヒロキエさんの新橋店の記事にあったかきラーメンのことですね。
こいつぁ、いただいとかないといけません(笑)。
ゆったりスペースにテーブルが配されて、どちらでもどうぞモード。
厨房側のテーブルのひとつに陣取って、メニューの「かきラーメン」のところを人差し指でぐいっと指差します。
すると、「麺はどちらにしますか」ととっても柔和そうな兄ちゃんが訊ねる。
んん?と改めてメニューを見ると「柳麺」と「刀切麺」のどちらかが選べる、と書いてある。
へーそふいふことになってたンだ、と「刀切麺で」と云い添えます。
ゆったりしたドンブリがやってきました。
魚介がよく似合いそうな塩系のスープに浮かんで牡蠣の身が誘う、湯気の先。
若布の緑が彩りにマッチしています。
見た目あっさりながら旨みも塩っけも濃い目に仕立てたスープにぷりんとした牡蠣の身がおよそイメージ通りによく馴染む。
牡蠣の幾つかに臭みヒットがあったけど、古いということではないのでしょう。
刀切麺は、啜ればプリプリっと唇を滑る。
祖父譲りの細麺を貫いてきたけれど、「揚州商人」20周年を期に開発した極太麺がこの「刀切麺」だそうで、刀削麺の生地を削らずに、伸ばして刀で切ったもの=刀切麺と名づけたとメニューにある。
食感も歯応えも悪くない麺だけど、そもそも刀削麺は、削ることで独特な食感を生んでるところに一番の魅力と個性があるのであって、それを伸ばして切ったらもしかして普通なことになっちゃうのじゃないかなぁ。
青龍刀で切ってます!だとなんだか怖い気もするけど(笑)、そのあたりどうなのでしょう。
目黒権之助坂で初めて出会って以来、今やあちこちに根を下ろしている「揚州商人」。今度はちょっと懐かしいメニューでも啜ってみようかな。
「揚州商人」武蔵小山店 目黒本町3-6-9 長谷川ビル1F [Map] 03-5725-7361
http://www.whistle-miyoshi.co.jp/