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うなぎ和食「しら河」で ひつまぶし焼き目の香ばしさと4膳目
名古屋地下鉄の鶴舞線に浄心という駅がある。
“浄い心”なんて地名は名の知られた神社仏閣のお膝元だからかぁと地上に上がるも、そこはどこにでもありそうな高速の高架下。
交差点のこじんまりしたお寺がその名の由来らしい。
そこから弁天通りを渡り、裏道へ廻ったところにあるのが、
今日のお昼どころ「しら河」です。狭い間口の簡素な建物の前に立つ。
そちらは旧来のお店で、既に使わなくなっている様子で、振り返ったその向かいに堂々とした店舗が控えていました。
客溜まりに足を踏み入れると、右手に数人の空席待ちがある。
ちょっと待つようなのかなと思いながら人数を告げると、なぜかすんなりとテーブル席へ通されます。
目的はもちろん、ひつまぶし。
「上ひつまぶし」を「きも吸」つきでお願いします。
専用のお櫃の蓋をぱかりと開けて、
湯気とともに如何にも香ばしそうな焼き目とご対面(笑)。軽くまぜまぜしてから、例の手順でまずそのまま茶碗によそっていただきます。
うんうん、しっかりと主張する焼き目の魅力。
そこへ身の中からふつふと発揮してくる甘み旨味が、ややタレダクのご飯と相俟って、遜色ない。
二膳目は、小葱、海苔、山葵の薬味風味を添えて楽しんで、三膳目には湯桶から熱いところを注いで啜る茶漬け篇。
「吸茶」と呼んでいるも、こちらもお茶ではなくて、昆布主体と思われるお出汁。
その出汁にタレが溶けだし脂が追いかけして、いい具合のお味加減。
うんうんと頷きながら、あっと云う間に軽い一膳を平らげます。
ここで仕舞とするのが、ひつまぶし本来の食べ方なのかもしれないけれど、
最近はここから「その二」に戻るのがパターンになってる。残しておいたところを茶碗に移して、薬味も一掃するように載せて刻み海苔をぱらぱらと。
つまりは、この場面が一番好きってことなのでしょうね。
ひつまぶしのお店10傑くらいには入るのであろう、浄心の「しら河」。
沿革には、公設市場の天麩羅店が起源で、和食料理屋・割烹から派生した鰻料理店がひつまぶし専門店の本丸になっていった経緯が記されています。店名の「しら河」は、豊橋の白河町に関連があるのかな。
「しら河」浄心本店 名古屋市西区城西4-20-12 052-524-1415 http://www.hitsumabushi.jp/ [Map]